架橋戦車
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架橋戦車(かきょうせんしゃ)とは、戦車のシャーシに橋梁を乗せ運搬するものであり、必要に応じて橋梁を後架・設置する能力を有する戦車である。それにより、設置される橋梁は、通常、その軍の主力戦車が通行できる設計となっている。また、主力戦車を改造し架橋戦車としている例も少なくない。
戦場における架橋の設置は工兵の任務であるが、陸軍の機械化・進撃速度の増加に従い、戦車も通行可能な架橋機材を前線で迅速に展開する必要が生じた。それにより、架橋戦車の開発が行われるようになった。
架橋方式には、さまざまなものがある。車体上部に搭載した橋梁機材を車体前方(または後方)へそのまま対岸へ押し出す方式、2つ折にたたまれている架橋を広げながら、対岸へ渡す方式、さらには車体そのものを橋梁として利用する方式もある。具体例としては、陸上自衛隊の91式戦車橋も架橋戦車であり、車体上部に折りたたまれた橋梁を搭載し、長さ20m(有効長18m)の橋をかける能力を持つ。なお、車体の全長は10.9mであり、車体長の倍近い架橋能力を持っている。
[編集] 主な架橋戦車
- 91式戦車橋(陸上自衛隊)
- 67式戦車橋(陸上自衛隊)
- パンツァーシュネルブリュッケ2(ドイツ陸軍)
- ブリュッケンレーゲパンツァー・ビーバー(ドイツ陸軍)