架空バス
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架空バス(かくうばす)とは、実在世界に存在しないバス業者・バス路線・バス車両(但し、走行地域は架空、実在共に在り)を想定し、空想の世界を思い描く遊び。またはその創作物を示す。 自身の設定した架空路線の経路、ダイヤ、運賃などをシミュレートしたり、ペーパークラフトや絵を利用してバス車両を作るものもある。
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[編集] 架空バスの舞台
架空バスという遊びをする上での「場所」は架空バスを分類するキーワードのうちの1つである。 架空鉄道の頁も参照のこと。
[編集] 実在地域
実在する区域・地域にバス路線を設定する。実在の状態に架空バスを足す形や、実在の土地を使うだけで別のバス会社などの存在を考えないものなどがある。後者については都市部などのバス路線密集地帯での競合を避けるなどの理由によるもの。 横浜を含めた関東地方や広島は架空バス業者が多いが、日本海側は架空バス業者が少ない。架空バスは思い入れの強い地域を中心に選ばれる傾向からであろう。
[編集] 架空地域
運営する地域自体を、架空の地域とする場合がある。この場合、より自由な発想で路線を開拓することができる。ただし実在しないためイメージしにくいという欠点がある。作者による描写が試される部分である。
また、実在する地域と架空地域を組み合わせて展開する例もある。この場合実在の地形に半島などを足す場合が多い。 これは島・半島・内陸地をもじるといったこともしている。
[編集] 架空バスの表現
架空バスはインターネットの普及によりwebサイトという形で発表されることが多くなった。特にフリー素材のバスの塗り絵を使用したものや、ペーパークラフトを使用したものが多数を占める。これは鉄道と違い規格化された「バス」という車を扱うゆえの特徴である。しかしながら、規格化されているだけにどの作品も同じに見えるという欠点を持つ。そのため塗り絵と共にテキストによる補足を付け、そのバスの走る場所や路線やバス自体の特徴などを記すことで世界を広げることができる。また、塗り絵やペーパークラフトを必ず使う必要は無く、作者の思い思いの表現方法を使って架空のバスを演出する試みも見られる。
[編集] ペーパークラフトを使った架空バス
現在の架空バスの主流。ペーパークラフトに自己流の塗装をし、web上で公開するスタイル。ペーパークラフトが規格化されているので、中古バス売買を模したペーパークラフトデータの取引が行われる。実際に売買を行うわけではなく、トレーディングカードのように交換・譲渡するだけである。バスの表現にペーパークラフトという形を取るが、組み立てられることは滅多にないようで、専ら規格品としての扱い。
[編集] 公式サイト風・ファンサイト風架空バス
ペーパークラフトを扱う架空バスは増えたものの、サイトとしてはあまりおもしろくないという面も浮き彫りになった。サイトをバス会社の公式サイト風やファンサイト風にアレンジしてバス会社の視点やバスファンの視点からの描写もされるようになる。ペーパークラフトもそのままサイトに載せるのでなく、バスの紹介ページを介してペーパークラフトを公開するなど、読み手に対する配慮のされているサイトもある。見映えの良いサイトが多いのが特徴。
[編集] 掲示板でやりとりする架空バス
前述したペーパークラフトの中古バスの売買を中心とし、サイトよりも掲示板でのやりとりを中心とする架空バスも多い。サイトで人に見せることよりも中古車売買や共同運行の設定などで自分が楽しむことを主眼に置いているもの。表現のほとんどを掲示板でのやりとりに任せるため、その場限りであることが多い。購入した中古バスを活用するというわけでもないので、たくさん集めることがメインなのだろう。しかし、架空の世界での出来事なので中古バスなどはいくらでも作ることはできる。同じことを繰り返してるうちに飽きてやめてしまうというケースが多い。また、掲示板でのコミュニケーションがうまくいかずに作者同士の喧嘩が発生することも多い。
[編集] 奇抜なアイディアの架空バス
仲間から注目を浴びるために特殊なバスや特殊なシステムを導入することがある。ネオプラン・メガライナーや連節バスなどがよく使われる。しかし注目はされるものの、導入するだけでその他の描写が全く無いためその場限りの注目で終わることが多い。また、常に奇抜なことをやっていると面白味に欠けてしまうという欠点もある。