栞と紙魚子
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『栞と紙魚子』(しおりとしみこ)は諸星大二郎の漫画。少女向けホラー雑誌である「ネムキ」に連載。
[編集] 概要
諸星大二郎の初めての少女向け作品。基本的に一話完結の短編である。作品名は主人公の栞と紙魚子から。
胃の頭町(いのあたまちょう)に住む主人公の二人が、周囲で起こる怪奇現象に巻き込まれる少女向けホラー作品。作中の脇役達はクトゥルフ神話を元ネタとする奇妙な生き物など、奇々怪々な面構えとなっているが、主人公が非日常に溶け込み、独特の不条理めいてユーモラスな世界観を作り出している。
[編集] 主な登場人物
- 栞(しおり)
- 名前は本に挟む栞から。
- 新刊書店の娘。ネジが抜けた性格をした女子高生。バラバラ死体の生首を持ち帰ったりしている。
- 紙魚子(しみこ)
- 名前は本の隙間などに生息している紙魚という昆虫から。
- 古書店「宇論堂」の娘。三つ編みで眼鏡を掛けた理屈屋な女子高生。古本・珍本マニアであり、希少本を目の前にすると見境をなくす。
- ボリス
- モデルは作者の飼い猫ムサシ。
- 栞の飼う6歳の雄猫で雑貨店「ねこや」の店主。人の姿では禿げ気味の中年男性である。
- クトルーちゃん
- 名前はクトゥルフ神話のクトゥルーから。
- 幼稚園児。ボサボサの髪型、大きなリボン、大きく影の濃い目、暗めの色のドレスと不気味な容姿をしている。「テケリ・リ!」と叫びながらはしゃぐ、虫を食べる、首が180度回る、股間と首が入れ替わるなど奇行が多い。
- 段一知(だんいっち)
- 名前はハワード・フィリップス・ラヴクラフトのダンウィッチの怪から。
- クトルーちゃんの父であり、奇行で有名なホラー作家。作中では常に黒いスーツを着ている。
- クトルーちゃんの母
- 段一知の妻で外国人。作中では巨大な顔と長い腕以外は物陰となり描かれない。節足動物や軟体生物を彷彿とさせる足を持つが、全身が描かれたことはない。性格は至って普通の妻、母親である。
- ゼノ奥さん
- 胃の頭町の奥地に住み、奇怪な生物を飼う品の良い奥さん。
- 菱田きとら(ひしだきとら)
- 女流詩人。代表作は殺人や死体を切り刻んむ内容を描いた「殺戮詩集」。恋人を詩集内容通りに殺したとされるが、心神喪失で無罪となり精神病院に入院、その後退院した。段一知に想いを寄せており、不倫の関係にもつれ込むべく暗躍する。
- 頸山城の長姫(くびやまじょうのながひめ)
- 平安時代の10世紀頃から長姫に関する奇怪な事件が残っている。長姫の出るエピソードは妖怪ハンターのような作風となっている。