棟田康幸
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棟田 康幸(むねた やすゆき、1981年2月10日 - )は日本の柔道家(四段)。
愛媛県松山市出身。小学校卒業後に柔道の名門弦巻中学校・世田谷学園へ進学し講道学舎へ入寮、高校3年次には金鷲旗の決勝戦で強豪・国士舘高校を相手に史上初の4人抜きを成し遂げ、世田谷学園を優勝に導く。また個人戦でも全国高等学校柔道選手権大会、インターハイを制覇し、高校タイトルを総なめにする。明治大学時代には全日本選手権やミュンヘン世界選手権などトップレベルの大会へ多数出場を果たし、同時に、4年間連続で全日本学生の優秀選手に選出(4回選出は他に山下泰裕、正木嘉美、斎藤制剛、高井洋平のみ)される。 大学卒業後は警視庁へ入庁。2003年の世界選手権でタメルラン・トメノフ(ロシア)ら強豪を破り優勝、弱冠22歳にして最重量クラスの世界チャンピオンになる。
身長が2m以上の選手もいる最重量階級において、棟田は身長170cmと異色の存在であり、表彰台に立つ時も2位・3位の選手の頭の位置が上にある事が珍しくない。しかし背の低さ故に重心の低さ・腰の重さがあり、安定感では右に出るものはいない。欠点は、手数が少なく指導や注意が多い事。得意技は体落、裏投、支釣込足など。また礼儀正しさでも有名で、勝敗に関らず試合後の礼で深々と頭を下げる様子などは賞賛の対象となっている。
同じく世界チャンピオンの鈴木桂治とは親友にしてライバルの関係。
父・利幸も柔道家で、全日本選手権に何度も出場した実力者である。梶原一騎原作の漫画「空手バカ一代」には、氏をモデルにした雲井代悟という柔道家が登場している。現在は愛媛県柔道協会理事長。
[編集] 主な成績
- 1998年3月:全国高等学校柔道選手権大会(無差別級) 優勝
- 1998年:インターハイ個人(100kg超級) 優勝
- 1998年9月:全日本ジュニア柔道体重別選手権大会(100kg超級) 優勝
- 1998年11月:講道館杯日本柔道体重別選手権大会(100kg超級) 3位
- 1999年1月:嘉納治五郎杯国際柔道大会(100㎏超級) 優勝 ※史上初の高校生王者
- 1999年4月:全日本柔道選手権大会 準優勝
- 1999年11月:講道館杯日本柔道体重別選手権大会(100kg超級) 優勝
- 2000年10月:全日本学生柔道体重別選手権大会(100kg超級) 優勝
- 2001年11月:講道館杯日本柔道体重別選手権大会(100kg超級) 優勝
- 2002年2月:ドイツ国際柔道大会(100kg超級) 準優勝
- 2002年3月:ハンガリー国際柔道大会(100kg超級) 優勝
- 2002年9月:釜山アジア大会柔道競技(100kg超級) 優勝
- 2002年4月:全日本選抜柔道体重別選手権(100kg超級) 優勝
- 2002年4月:全日本柔道選手権大会 準優勝
- 2003年1月:嘉納治五郎杯国際柔道大会(100kg超級) 優勝
- 2003年2月:フランス国際柔道大会(100kg超級) 優勝
- 2003年9月:世界柔道選手権大会(100kg超級) 優勝
- 2004年4月:全日本柔道選手権大会 3位
- 2005年9月:世界柔道選手権大会(100kg超級) 準優勝
- 2005年2月:ドイツ国際柔道大会(100kg超級) 3位
- 2006年2月:オーストリア国際柔道大会(100kg超級) 優勝
- 2006年4月:全日本選抜柔道体重別選手権(100kg超級) 優勝
- 2006年12月:ドーハアジア大会柔道競技(100kg超級) 優勝