楽山大仏
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楽山大仏(らくさんだいぶつ)は、中国・四川省にある大仏。峨眉山地域内の長江の支流、ミン(山へんに民)江、大渡河、青衣江が合流する地点にある。大仏は全長約71mで幅28mの弥勒菩薩である。大仏の頭の長さは14.7m、頭の幅10m、肩の広さ24m、耳の長さ7m、足の甲の長さは8.5mである。
楽山大仏は、後述の韋皐が造らせた「嘉州凌雲寺大像記」の記述によれば、713年(開元元年)、当時頻繁に起こっていた水害を治めるため、僧の海通が寺院・凌雲寺に隣接する崖に石像を彫ったのが始まりである。743年(天宝2年)、海通は大仏が完成する前に亡くなったが、剣南西川節度使であった韋皐が建設を受け継ぎ803年(貞元19年)に完成した。川の合流地点に工事で出た大量の土砂を投入することにより、川底が浅くなり、海通の意図通りに水害は大幅に減ることとなった。
完成当時、大仏は「大仏像閣」と称する13層の木造の建造物に覆われ、法衣には金箔、胴には朱色が塗られていた。さらに、湧水を外に逃がすための排水溝、そして雨水を効率よく逃す溝が掘られていた。しかし明代末期に建物は焼失、大仏も風雨に晒されて色が落ち、雑草に覆われていった。1962年にようやく修復が行われ、明代におそらく経典などを入れるための穴が胸にあけられていたことが判明した。
最近では酸性雨によると思われる染みが見られる。