江衛型フリゲート
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江衛型フリゲート(ジャンウェイがた-、Jiangwei class frigate)は、中国海軍初の汎用フリゲートの型式である。
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[編集] 歴史
1980年代に、中国海軍は053K型(江東型)に代わる防空フリゲートを必要とした。 そこで滬東造船(現:滬東中華造船)において、053H2型(江滬III型)フリゲートの防空能力向上型の建造が行われた。この新造艦053H2G型はNATOによって江衛型と名づけられた。053H2G型(江衛型フリゲート)は053H2型(江滬III型)よりわずかに大きく、防空用のHQ-61B SAMを装備している。1988年から1991年の間に合計4隻の053H2G型が建造された。しかし、HQ-61B SAMでは性能的に不十分だったため、改良型の053H3型(江衛II型)が建造された。中国航天科工集団公司第2研究院(現:中国国防科学技術院)が、フランスのトムソン製クロタル対空ミサイルを国産のHQ-7 SAMとしてコピーし、053H3型に搭載した。1996年から2005年の間に合計10隻の053H3型が建造された。新型の江凱型フリゲートの建造に移行しているので、053H3型が053型における最終形であると考えられている。
[編集] 派生
江衛I型と江衛II型の最も明白な違いは江衛II型では対空ミサイルの設置箇所が、1段上げられており、連装機関砲と同じ高さにあることである。また、HQ-7 SAMに取り替えられるまでの間、江衛II型は一時的にHQ-61B SAMを装備していた。
[編集] 要目
- 全長:112m
- 全幅:12.4m
- 喫水:4.3m
- 基準排水量:2,180t(053H2G)、2,250t(053H3)
- 満水排水量:2,250t(053H2G)、2,393t(053H3)
- 主機:CODAD 2軸
- 18E390VA ディーゼル 2基 (14,000馬力)
- MTU ディーゼル 2基 (8,840馬力)
- 速度:最高速度26~27ノット(巡航速度16ノット)
- 航続距離:15~16ノットで5,000海里
- 乗員:168人(うち士官30名)
- 戦闘情報システム:ZKJ-4B/6(TAVITAC)
レーダー
- 共通
- 360S型対空対水上レーダー 1基
- 347G型火器管制レーダー(機関砲) 2基
- 517H-1型対空レーダー 1基
- RM-1290航海レーダー 2基
- 053H2G型
- 343型火器管制レーダー(100mm砲) 1基
- 342型火器管制レーダー(対空ミサイル) 1基
- 053H3型
- 352型火器管制レーダー(対艦ミサイル) 1基
- 345型火器管制レーダー(対空ミサイル、100mm砲) 1基
兵装
- 053H2G型
- HQ-61(紅旗61/CSA-N-2) 6連装発射機 1基
- YJ-8(鷹撃8/C-801) 3連装発射筒 2基
- 053H3型
- HQ-7(紅旗7/FM-80) 8連装発射機 1基
- YJ-83(鷹撃83/C-803) 4連装発射筒 2基
- 共通
- 3200型対潜ロケット 6連装発射管 2基
- 79A型56口径100mm連装砲(PJ-33A) 1基
- 76A型37mm連装機関砲 4基
- Z-9C対潜ヘリコプター 1機
[編集] 同型艦
053H2G(江衛I型)
- 539 安慶
- 540 淮南
- 541 淮北
- 542 銅陵
053H3(江衛II型)
- 521 嘉興
- 522 連雲港
- 523 莆田
- 524 三明
- 564 宜昌
- 565 楡林
- 566 楡渓
- 567 名称不明
- 527 名称不明
- 528 綿陽