清算人
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目次 |
[編集] 清算人
法人が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる(民法第74条)。ただし、定款若しくは寄附行為に別段の定めがあるとき、又は総会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない(民法第74条但し書き)。
[編集] 裁判所による清算人の選任
清算人となる者がないとき(破産法人が破産終結した場合、破産財団から放棄された財産の処分を行う場合等)、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる(民法第75条)。但し、この場合、選任される清算人の報酬費用等を予納する必要があり、かなりの負担となるのであまり利用されていない。
[編集] 清算人の解任
重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる(民法第76条)。
[編集] 清算人及び解散の登記及び届出
清算人は、破産手続開始の決定及び設立の許可の取消しの場合を除き、解散後主たる事務所の所在地においては2週間以内に、その他の事務所の所在地においては3週間以内に、その氏名及び住所並びに解散の原因及び年月日の登記をし、かつ、これらの事項を主務官庁に届け出なければならない(民法第77条第1項)。
清算中に就職した清算人は、就職後主たる事務所の所在地においては2週間以内に、その他の事務所の所在地においては3週間以内に、その氏名及び住所の登記をし、かつ、これらの事項を主務官庁に届け出なければならない(民法第77条第2項)。これは、設立の許可の取消しによる解散の際に就職した清算人について準用される(民法第77条第3項)。
[編集] 清算人の職務及び権限
清算人の職務は、次のとおりである(民法第78条第1項)。
- 現務の結了
- 債権の取立て及び債務の弁済
- 残余財産の引渡し
清算人は、その職務を行うために必要な一切の行為をすることができる(民法第78条第2項)。
[編集] 債権の申出の催告等
清算人は、その就職の日から2か月以内に、少なくとも3回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、2か月を下ることができない(民法第79条第1項)。 この公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは、その債権は清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない(民法第79条第2項)。 清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない(民法第79条第3項)。 この公告は、官報に掲載してする(民法第79条第4項)。
[編集] 清算法人についての破産手続の開始
清算中に法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない(民法第81条第1項)。この公告は、官報に掲載してする(民法第81条第4項)。
清算人は、清算中の法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする(民法第81条第2項)。
この場合において、清算中の法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる(民法第81条第3項)。
[編集] 裁判所による監督
法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属する(民法第82条第1項)。 裁判所は、職権で、いつでもこの監督に必要な検査をすることができる(民法第82条第2項)。
[編集] 清算結了の届出
清算が結了したときは、清算人は、その旨を主務官庁に届け出なければならない(民法第83条)。