潜水母艦
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潜水母艦(せんすいぼかん)とは、海軍における補助艦艇の一つである。潜水艦に附随して食料、燃料その他物資を補給し、潜水艦乗組員が休養するための設備を提供する艦のことである。
潜水艦は、艦内が狭く補給物資を大量に積み込むことができないため、長期間の行動には潜水艦に付随し、補給などを行う艦船が必要となってくる。専用の艦を新造する場合の他、徴用した商船を改装したものもあり、これは「特設潜水母艦」と呼ばれる。
旧日本海軍においては、「長鯨」「迅鯨」「大鯨」などの専用の艦が造られていた。しかし、第二次世界大戦中には、これらの専用の潜水母艦は航空母艦に改装されたものもあるため、潜水母艦数の不足が起こり、商船改装の特設潜水母艦に依存することも多かった。
類似のものとしては、駆逐艦母艦がある。
2006年時点の、アメリカ海軍は原子力潜水艦用のL.Y.スピア級を運用している。海上自衛隊においては、潜水母艦機能に加えて潜水艦救難艦としての能力も持つ潜水艦救難母艦『ちよだ』を運用している。