無投票当選
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無投票当選(むとうひょうとうせん)とは、選挙において立候補の届出者数が定数を超えなかった場合に、投票が行われずに候補者が当選する状態を指す。選挙を実際に行っていないため、本当に民意が反映されているといえるのか疑問視する声もある。
無投票当選となるおもな場合として主に地方の県議選や市町村長選を中心に、現職に対する有力なライバル候補が不在という場合を中心に起こっている。また、小規模な町村においては集落ごとに事前に候補者調整が行われることにより結果として無投票となることも多い。なお、都道府県知事選挙や衆議院の小選挙区では、ほぼ全ての選挙ないし選挙区に日本共産党が候補を擁立しているため無投票となることはごくまれで、最近では2003年の鳥取県知事選挙程度しか見られない。
公職選挙法第100条で無投票当選を規定している。
国政選挙における無投票は1951年5月21日を投票日に指定した参議院議員愛媛選挙区の補欠選挙で起こり、玉柳実が当選した。
地方自治体におけるリコールは通常の選挙による当選の場合は選挙後1年間はリコールができないという規定があるが、無投票当選の場合は当選翌日からでも解職請求が可能である。
当選する実力がないにも拘らず、無投票当選し、次回選挙で落選するケース、日本共産党が公認または推薦する候補しか立候補の届け出を行わず、無投票当選しそうになり、地元保守政界が、慌てて候補を擁立するケースなどがある。
また、民間の団体の総代ないし代議員選挙や役員選挙等においては、選挙で行うと規定していてもおおむね無投票となることが通例となっている場合も多い。