燃えよ! カンフー
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燃えよ! カンフー(原題Kung Fu)はアメリカ合衆国のABCで1972年から3年間に渡り放送された連続テレビドラマ。清の少林寺で中国武術(カンフー)をマスターしたハーフの男がアメリカ西部を渡り歩くアクションドラマ。カンフーブームの時代、東洋の神秘を感じさせる内容が受けて、世界各国で人気を博した。主演はデヴィッド・キャラダイン。少林寺で修行する幼少期はラッド・ペラが演じている。原案はブルース・リー、脚本は作家のハーマン・ミラー。ワーナー・ブラザーズ作品。
西部を流離うむさ苦しい男がいったい誰なのか、どこから来てどこへ向かうのか、など主人公に関する事項が全く明らかにされず、視聴者は主人公の回想を通じて徐々にその実体を知っていくという作品構成が特徴的で斬新であった。、題名からはカンフーの派手なアクションドラマを想像しがちであるが、実はカンフーアクションの時間は非常に短く、重厚な仏教の教えを分かり易く米国人に説く内容となっており、仏教の神秘性・精神性が人気を呼んだ作品となっている。
なお、アメリカのテレビドラマはスポンサーの意向次第で直ちに打ち切りになるためはっきりとした「最終回」がない作品が多いが、この作品には特に最終回が用意されたことをみても如何に当時の人気が高かったかが窺い知れよう。
[編集] あらすじ
白人の父と中国人の母を持つ少年クワイ・チャン・ケイン(Kwai Chang Caine。ラッド・ペラ)は、少林寺で盲目のホー先生(ケイ・ルーク)や館長のカン先生(フィリップ・アン)の指導の下、長年にわたって仏教の修行を積む。少林寺では仏教修行のひとつに武術修行(少林拳や棒術など)があるが、厳しい修行の結果、成長したケイン(デヴィッド・キャラダイン)は砂の上に敷かれたライスペーパーを破かずに歩けるまでになり、火の入った巨大な香炉を腕で夾んで運び両腕に竜の紋章(少林寺僧侶の紋章)を焼印するという最終関門をパスして、少林寺の僧となった。
しかし、ホー先生と一緒にあるお寺のお祭りに出かけた時、寺に来ていた皇帝の甥にホー先生がピストルで銃殺される(無礼討ちに相当)事件が発生、思わず近くにあった槍を皇帝の甥に投げつけ殺害してしまい、追われる破目となる。良心の呵責にさいなまれながら、少林寺の僧やキリスト教の神父の助けを得て、父の国アメリカに逃げる。清国政府が放った刺客に追われつつ、アメリカ西部に居ると思われる異母兄を探して回るなかさまざまな事件や不合理に出会うが、東洋的な思想と武術で解決してゆく。
[編集] 裏話
本来、世界中にカンフーブームを巻き起こしたブルース・リーは、この作品で自らケイン役をする構想であったが、英語に訛があることと、みるからに東洋人すぎるという理由で、デヴィッド・キャラダインが主役に抜擢された経緯がある。逆にデヴィッド・キャラダインでは東洋人らしくなく、まぶしくもないのに目を細めて中国系に見せるなど、演技上の苦労が見られる。
この作品の中にしばしば回想シーンとして出てくる少林寺は、実は1967年の映画『キャメロット』に使われたセットを改造したもので、中国ロケは行われていない。少林寺でケイン少年がつけられたあだ名「Little Grasshopper」(小さなバッタ)は、放送当時アメリカで流行語になった。
2003年以降、この作品を収録したDVDボックスのシリーズが発売されている。
1993年から1996年には、ケインの子孫が現代アメリカでシンジケート組織と闘うという、続編のテレビドラマ新・燃えよ!カンフー(原題Kung Fu: The Legend Continues)がアメリカ合衆国で放送され、デヴィッド・キャラダインと息子役のクリス・ポッターが主演した。