瑞雲 (航空機)
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瑞雲(ずいうん)とは愛知航空機が生産した日本海軍の水上偵察機である。機体略番は「E16A」。
[編集] 概要
日本海軍は十二試二座水上偵察機において水上偵察機と爆撃機の統合を図り、250キロ爆弾を搭載して急降下爆撃できる能力を求めた(計画要求審議の場では、水上観測機(戦闘機兼偵察機)と水上偵察機(爆撃機兼偵察機)の機種統合の可能性も論じられている)。航空兵力で劣勢の日本海軍が、巡洋艦搭載の水上急降下爆撃機によって劣勢を覆そうという構想により、期待された機種だったが、開発は難航し、瑞雲においてようやく統合されたのである。
1940年(昭和15年)2月に愛知航空機に試作指示が出され、これに基づいて十四試二座水上偵察機が試作され、昭和18年8月に「瑞雲11型」として制式採用された。
胴体や主翼はスリム化され、フロート支柱部分に急降下爆撃用のダイブブレーキを備えていた。1944年(昭和19年)春から部隊配属が開始されたが、戦況の悪化に伴い思ったような戦果があげられないまま終戦を迎えた。
[編集] スペック
- 全長:10.84m
- 全幅:12.80m
- 全高:4.74m
- 主翼面積:28.00㎡
- 全装備重量:3,800kg
- 最高速度:448km/h
- 乗員:2名
- 発動機:三菱「金星」54型(空冷星型、1,300hp)
- 航続距離:2,535km
- 実用上昇限度:10,280m
- 武装:
- 20mm機関砲×2
- 7.7mm機銃×1
- 60kg爆弾×2または250kg爆弾×1
[編集] 関連項目
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