生物化学的酸素要求量
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生物化学的酸素要求量(せいぶつかがくてきさんそようきゅうりょう、BOD, Biochemical Oxygen Demand)は、水中の有機物が微生物の働きによって分解されるのに要した酸素の量で示した水質の指標。単位は mg/L。水質が悪い(有機物が多い)ほどBODは高くなるが、試料の溶存酸素量や微生物の種類などによってBODは影響を受けるため注意が必要。 摂氏20度の暗所において、5日間で消費される酸素量を表したものである。 例えば、調べたい水に溶けている酸素の量が15mg/Lで、5日後に検査をした時の酸素量が10mg/Lであれば、BODは15mg/Lから10mg/Lを差し引いた5mg/Lとなる。家庭や工場からの排水量に、そのBOD濃度をかけたものはBOD負荷量と呼ばれる。単位は質量または時間あたりの質量で表される。
- BODは水質汚濁に係る環境基準項目となっており、生活環境の保全に係る項目として、河川における基準が、その河川の利用形態等を考慮した類型(自然環境の保全を要する水域に適用される最も厳しいAA類型から大都市の河口付近のE類型まで)ごとに定められている。なお、BOD指標は海域と湖沼では用いられない。
- なお、各類型とBODの環境基準値の関係はAA類型が1mg/L以下、A類型が2mg/L以下、B類型が3mg/L以下、C類型が5mg/L以下、D類型が8mg/L以下、E類型が10mg/L以下である。
- BODでは工場の排水基準値(海域及び湖沼以外への排出水)として160mg/L以下と定められている。