白炭
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白炭(はくたん、しろずみ)とは、木材を石窯を使い炭化させた炭である。主成分は、ほぼ炭素であり、ごく少量アルカリ塩を含んでいる。
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[編集] 白炭の性質
白炭は主にウバメカシ、アオガシ、ナラなどを炭化させた物を言う。白炭は、専用の石窯で、木材を熱分解し、炭化がほぼ終了した頃に窯を開け赤熱した炭を取り出し素灰を掛けて消化して作る木炭である。 白炭はとても硬質で、断面には特有の光沢が見られる。硬質な白炭は赤外線が多く発生し、長時間燃えるが、その反面火付けが難しく、黒炭と併用するのが一般的である。
[編集] ブランド
白炭のブランドだが、各地に色々な樹木を使用した炭がある。代表的な白炭には、
- 紀州備長炭(馬目樫・樫)
- 土佐備長炭(馬目樫・樫)
- 兵庫白炭 (樫)
- 秋田木炭(黒炭、白炭共にナラ)
がある。
[編集] 用途
白炭の用途は様々で、他用途に応用できる。
[編集] 燃料
白炭は、火持ちが良く遠赤外線が黒炭よりも多く発生するため、焼き物に最適である。 ただし白炭は黒炭よりも水分やにおいの吸収率が大きく一月も置いておくと比重が変わってしまう。 そのため爆跳や煙が発生し、危険かつ食材がおいしく焼けないなどの難点がある。
[編集] 浄水
白炭には汚れや臭いを取り込む隙間が沢山ある。 それを生かして、飲み水の浄水や下水の再利用に使用されている。
[編集] 消臭、脱臭、除湿
白炭は、沢山の隙間に臭いや湿気を取り込むことが出来る。 また、黒炭に比べ形が壊れにくく、黒炭と比べ量も少しではあるが少なくできる。 また、値段は高くなるが、長持ちし、湿気の呼び戻しが少ないことで床下でも安心して使用できる。
[編集] 調理
白炭は調理にも使用できる。 木炭はアルカリ性であり、ご飯を炊くときなどは米がふっくらと炊きあがる。 天ぷらを揚げる際も、油に入れておけばカラッとおいしく揚がると言われている。