石油エーテル
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石油エーテル(せきゆ-、petroleum ether)とは、石油の低沸点留分の一種である。ほぼ無色透明の液体であり、溶剤として広く用いられている。名称に「エーテル」が含まれているが、化学種としてのエーテルは含有していない。
[編集] 成分・性質
ISOとJISで若干異なるものの、概ね60度以下の低沸点留分を指す。
- ISO 6353-3による定義
- 密度(20 ℃) - 0.644 - 0.655 g/ml
- 留分(40 - 60 ℃) - 90 vol% 以上
- JIS K8593による定義
- 密度(20 ℃) - 0.620 - 0.660 g/ml
- 留分(30 - 60 ℃) - 90 vol% 以上
主成分はペンタンであり、イソペンタン、ヘキサンなど他の低級脂肪族炭化水素との混合物である。化学的性質は主成分であるこれら炭化水素に近いものとなる。
[編集] 用途
研究室レベルではクロマトグラフィーの展開溶媒として用いられているが、日本ではヘキサンが用いられることが多い。また工業用としては洗浄用として利用されている。
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