社史
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社史(しゃし)とは、(1)会社の歴史、または(2)将来の経営に資するために自社の歴史を記録したもので、本(書籍)の形が一般的である。過去(歴史)・現在・未来について、現時点での価値評価を発行主体が行う。つまり、社史とは「企業が出す自分史」で、企業の主観で書かれるものである。
また社史の近縁に記念誌という企業出版物もある。企業の主観によって書くのは同じだが、社史のように会社の歩みをもれなく記載するよりも、本の中でお祝いの雰囲気、取引先や社員への感謝の気持ちを表すことが多い。社史が創業・設立後きりのよい周年にまとめられるのに対し、記念誌の場合には、例えば、社屋新築、社長交代、株式公開などを記念としてまとめられている。
また社史には種類として大きく三つに分けられ、「正史」、「略史」、「小史」としてよく使われる。
正史(せいし)とは、企業が創業される前から説き起こされて、今日までを網羅している社史で、通史という言葉と同じ意味をもつ。あますことなくしっかりと記載することで歴史の記録の役割を果たすもの。50年、100年など区切りのいい周年などでまとめられる場合が多い。
略史(りゃくし)とは、ある一時代を「一くくり」として略した意味で使われる。省略しているために少ない内容量で簡単に理解できる反面、歴史全体として網羅していない点もある。
小史(しょうし)とは、会社の歴史全体を偏ることなく、圧縮したという意味で使われる。たとえば、内容全体を網羅しようとすれば200ページになるところを、掲載項目の取捨選択のレベルを高くして100ページに要約(ダイジェスト)して書く場合がこれにあたる。
[編集] 外部リンク
- 国立国会図書館 - テーマ別調べ方案内 - 社史・経済団体史
- 神奈川県立川崎図書館 社史コレクション (約13,000点)
- 龍谷大学 学術情報センター 深草図書館 長尾文庫(長尾コレクション) (幕末から我が国社史の70%以上、約16,800点所蔵)
- 神戸大学 経済経営研究所 附属政策研究リエゾンセンター 所蔵社史目録
- 筑波大学附属図書館情報サービス課レファレンス係 - 社史・団体史を捜すには