稲村ヶ崎
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稲村ヶ崎(いなむらがさき)は神奈川県鎌倉市にある岬で、由比ヶ浜と七里ヶ浜の間にあたる。住居表示などでは稲村ガ崎とも表記される。交通は江ノ島電鉄稲村ヶ崎駅から徒歩5分。
地名の由来は、稲穂を重ねたように見えるためだと言われている。良質な砂鉄が取れる事で知られ、古くはこの地で製鉄がおこなわれていたようである。
鎌倉時代後期の1333年(元弘3)に上野国(群馬県)の新田義貞が鎌倉攻めの時に、稲村ヶ崎を越えられず潮が引くのを念じて剣を投じると、その後潮が引いたので岬の南から鎌倉に攻め入ったと、古典「太平記」には記されている。「新田義貞徒渉伝説地」として1934年3月13日に国の史跡に指定されている。
第二次世界大戦中には伏龍隊の地下基地があった。
現在は鎌倉海浜公園として整備されていて、園内には逗子開成高校ボート部七里ヶ浜沖遭難事件(1910年)の慰霊碑などもある。サーフィンのメッカとして有名であると同時に、海水浴場としても使用されてきたが、近年、砂の流出が進み、2003年からは海水浴場としての使用は行われなくなった。
サザンオールスターズの桑田佳祐が監督を務めた映画『稲村ジェーン』(1990年)の舞台ともなった場所である。しかし以前は自殺の名所としても知られていた。
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