竹島 (愛知県)
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竹島(たけしま)は愛知県蒲郡市の三河湾に浮かぶ小島。三河湾国定公園の中核。
標高22m、周囲約680m、面積約1.9ヘクタール。基盤は花崗岩質である。対岸とは約400m離れており、竹島橋 によって、結ばれている。
橋のたもとには大正・昭和初期に文人達が多く利用した料理旅館「常磐館」があり、菊池寛の「火華」をはじめ多くの作品に残されている。現在跡地には「海辺の文学記念館」があり、その足跡を残している。また、現在「蒲郡プリンスホテル」として営業する旧蒲郡ホテルの建物は、城郭風の外観にアールデコ様式の内装と独特の建築であり、春にはつつじ祭りが開かれ、つつじを前面に竹島を望むことができる。
先に述べたように、対岸とは僅か400mしか離れていない。しかしながら、竹島は暖地性の植生であり、対岸の植物相とは大きく異なるという特異的な環境である。このため、昭和5年に天然記念物に指定された。昭和28年から行われた調査では、238種の高等植物が自生していることが判明した。この中にはサカキカズラ、カゴノキ、キノクニスゲらも含まれる。これらは植物分布上注目すべきものである。
また、竹島は全域が竹島弁天(正式名称八百富神社)の境内である。竹島弁天は日本七弁天の一つとされる。 竹島弁天は、市杵島姫命を祀る神社で、養和元年に藤原俊成が、竹生島より勧請し創立されたとされる。徳川家康も参詣し、4石8斗寄進した。また、この地方の領主である松平氏は、正月、江戸への出立、帰郷の際は必ず参拝したといい、古くから信仰を集めてきた。大正4年には大鳥居が建立された。この鳥居の額は東郷平八郎の手によるものだったが、太平洋戦争の供出により残っていない。