羊たちの沈黙
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羊たちの沈黙(原題:The Silence of the Lambs)は、トマス・ハリスの小説。
天才的な洞察力を持つ精神科医でありながら人肉嗜好の社会病質者のハンニバル・レクター博士を主役にした三部作の二作目。
[編集] 概要
小説と映画では、彼のかつての患者の一人であり女性を誘拐し皮を剥いでいるバッファロー・ビルに関する情報を得るため、若きFBI訓練生のクラリス・スターリングは投獄されている社会病質の精神科医のもとに送られる。 当初、クラリスと対面したレクター博士は「アカデミーに帰りなさい、クラリスお嬢さん」とすげなくあしらうが、彼女が囚人の一人に辱められたことに怒り、その非礼への償いとして最初のヒントを与える。その後、クラリスの少女時代の記憶、秘められた過去の話と引き換えに、博士は彼女へ事件解決のアドバイスを与え続けていく。白眉は、小説のタイトルともなった「子羊」とクラリスの関係が明らかになるくだりであろう。この告白を聞いた博士は、初めてクラリスを「対等な存在」として接するのであり、博士の特徴たる丁寧な言葉づかいの一環である「ありがとう、クラリス」という言葉も、異なった重みを持って読者に響く。
作品を通して特徴的なのは、徹底して客観的な描写と綿密な科学的・医学的知識、それぞれの人物の精緻なキャラクター、破綻の無いストーリーである。クラリスとレクター博士との関係だけではなく、クラリスとアーディリアとの友情、クロフォードの妻ベラに対する愛情といった善の人間関係、あるいはバッファロー・ビルの倒錯した世界に見られる負の表現が、重苦しくも一種の荘厳さを以て、作品に迫力を与える。
[編集] 映画
1990年に監督ジョナサン・デミ、主演ジョディ・フォスター 、アンソニー・ホプキンスで映画化された。
ハンニバル・レクター・シリーズ |
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本 映画 主要な登場人物 |