義肢
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義肢(ぎし、Prosthesis)とは、事故や病気や戦争等で失った手や足を補う為に装着する代替物のこと。機能を回復させる物と、外見を回復させるものがある。
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[編集] 概要
これらの器具・装置では、失われた肉体の一部を人工物で代替する事で、患者自身がその欠損で被る肉体的・精神的な問題を軽減させるために用いられる。古くからこの考えは存在したが、そのありようが大きく進歩したのは第一次世界大戦以降で、塹壕戦により凍傷や銃創、または爆発物による損傷が急増、戦後復興の際にこれらのケアが求められた事による。
手腕の義肢を「義手」、足や脚の義肢を「義足」と呼ぶ。また、こうしたものを採型して製作し、装着できるようにする専門家を義肢装具士と呼ぶ。これらの器具は外見をゴムやシリコーンで元の肉体そっくりに作る技術も存在するが、その一方で足の蹴り出す力をバネで代用する事で、走ったりする事の出来る機能性義足も製作・利用され、パラリンピックなどのスポーツイベントでは、これら義肢装着者と装具士の共同作業によって完成された機能性義肢も数多く見られる。
現在では、筋電義手等、高性能の義肢が存在する。乳癌で切除した乳房の代わりの人工乳房の様なエピテーゼもある。
[編集] 義肢の機能
これらの義肢では、その機能性もさる事ながら、装着感や重量も注意が払われており、特に欠損率の大きい四肢を補う物では、装着者の負担(身体的なものや、経済的なもの)を考えて複雑な機構を搭載して多機能化するよりも、単純な構造で扱い易いものが多く見られる。
一般に義足の場合では、膝が残っているかどうかで義肢装着者の活動に大きな違いが出る。膝が残っている場合には、屈伸運動が可能であるため、脛より下は単純な棒で代用される事も多い。この場合では、訓練次第で走ることも可能となる。
しかし、膝が欠損している場合は、屈伸する機能を義足側に持たせなければならず、これが体重を支えられなければ立つことができない。また、膝が曲がらなければ歩き難く、走る事はほぼ不可能である。このため、膝を腫瘍で失った患者のために、切断した足の踵を流用して膝と同じ機能を持たせた移植手術が行われた例もある(ただし腫瘍の転移があった場合は、この方法は使えない)。このため膝上からの義足では、独特の調整が加えられる。
義手については、従来は手の機能の代用として「カギ爪」のような装具も存在したが(ピーター・パンに出てくるフック船長の腕を思い出してみてください)、後腕の筋肉で操作するピンセットのような「物をつまむ」事が可能な義手や、さらには筋電位測定とマイクロコンピュータを利用して、モーターの力で実際の手のように掴んだり離したりの動作が可能な筋電義手も開発・実用化されている。
最新の物では、直接神経に接続された電極で神経電位を計測、訓練すれば自分の腕のように操作できるタイプも登場しており、これらではコンピュータ制御により、触覚すらあるという。
[編集] 参考文献
- 千葉望『よみがえるおっぱい』海拓舎
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 中村ブレイス株式会社義肢装具、人工乳房の専門メーカー。
- 工房アルテ特殊メイク技術を用いて、本物そっくりの外装をフルオーダーで製作する。
- 川村義肢株式会社義肢装具の製作・車いす販売の老舗。近年は介護保険レンタル・住宅改修まで、広範囲に取り扱う福祉用具の総合商社
- (株)佐藤技研創業50年以上の義指・義手・義足の専門メーカー。
- 愛和義肢製作所東京都練馬区、義肢装具士による製作・オーダーメイド義指・義手・義足の専門メーカー。
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