舞鶴弁
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舞鶴弁(まいづるべん)は、若狭湾岸の舞鶴市から嶺南の一部に広がる、関西弁の系統を組む方言。
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[編集] 概要
多少の方言はあるものの、関東弁、関西弁のような癖がなく標準語に近いのが特色である。
近隣の宮津市や京丹後市で主に使用される丹後弁とも共通点がほとんど無い。
丹後弁と舞鶴弁の境界は宮津市奈具の辺りで、奈具は海岸沿いの険しい山岳地帯である事から、人の往来が出来なかった事が違いになったとの説もある。
[編集] ちゃった
舞鶴弁で最もポピュラーなのは「ちゃった」である。毎年7月下旬に舞鶴市で行われているみなと舞鶴ちゃったまつりは、この舞鶴弁の「ちゃった」に由来する。この「ちゃった」は、現在進行形・過去形ともに共通する。
標準語の「ちゃった」(=してしまった)とは異なり、京都弁で言う「~しはった」と同等の、軽い敬意を込めた表現である。自分以外であれば、同年齢であっても年長者であっても、また、近所の子ども相手であっても使えるため、非常に便利。
[編集] 「ちゃった」の主な使用例
- 「買い物に出かけられた(標準語)」→「買い物に出かけちゃった(舞鶴弁)」
- 「~さんはお帰りになった(標準語)」→「~さんは帰っちゃった(舞鶴弁)」
- 「~さんは帰った(標準語)」→「~さんは帰っちゃった(舞鶴弁)」
- 「来てくれた(標準語)」→「来てくれちゃった→やや丁寧な言い回し。・来ちゃった→フラットな言い回し。(舞鶴弁)」
[編集] その他の舞鶴弁
その他にも舞鶴弁では「とって」も有名である。主な使用例では、標準語の「言っておられますよ」は、舞鶴弁では「言うとってやで」(関西弁では「言うてはんで」、舞鶴弁とは一線を画す。)と言う。
又、「うら」は標準語でいう「後ろ・奥」であり、舞鶴ではよく「**のうら(後方座席)に乗る」「タンスのうら(奥)の方」という語を聞く。この「うら」は多種多彩に用いられ、実際の「裏」の意味もあり、慣れない人は混乱する。
[編集] 使用例
- 「しているのですか?(標準語)」→「しとってんちゃうん?(舞鶴弁)」
- 「って言っているのか?(標準語)」→「やってか?(舞鶴弁)」
- 「ご飯を食べていらっしゃいますか?(標準語)」→「ご飯、食べとってか?(舞鶴弁)」