若きウェルテルの悩み
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『若きウェルテルの悩み』(Die Leiden des jungen Werthers)は、ドイツの作家、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテによる書簡体小説。(ウェルテルはヴェルテルとも、又現代ドイツ語ならヴェアターとも発音)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
新しく引っ越してきた小さな町で出会った女性ロッテに恋をした主人公。しかし、彼女は婚約していた。それでも良き友人として接してくれる彼女。叶わぬ恋に主人公が絶望し、ピストル自殺するまでを描く。ゲーテの名を世間に知らしめた出世作であり、ドイツにおけるシュトルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)時代の代表作の1つでもある。1774年刊。
ゲーテ自身の恋愛体験と、ゲーテの友人が失恋を理由に自殺したのをきっかけに執筆された。物語の前面には、婚約者のいる女性(第二部では結婚済み)に憧れながら思いを遂げられない若者の悩みが描かれるが、その恋心のみならず、思春期の青年の様々な悩み、自分とは、孤独とは、自然とは、子供とは、理想の生き方とはといった煩悶の数々が重ね合わせて描かれており、冬のハルツ登山など、細々としたエピソードの積み重ねにもそれを読み取る事が出来る。タイトルの「Die Leiden」は単数ではなく、複数で、人妻への恋慕もそのうちの一つに過ぎない事を示唆している。
刊行されると、その内容に影響を受けて、ヨーロッパで自殺者が増加。社会問題化した。この事件から後に、カリスマの自殺による自殺連鎖をウェルテル効果と名づけられる。
なお、ヒロインであるロッテ(正式名シャルロッテの短縮愛称形)は、有名菓子メーカーの名に用いられている。
ナポレオンの愛読書としても知られる。