薬剤学
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薬剤学(やくざいがく)とは剤形あるいは投与方法によって変化する医薬品の性質や取り扱いに関する薬学の分野である。
医薬品自体が治療効果を表すためには、その標的部位に一定濃度で、尚且つ一定時間分布する必要がある。しかし医薬品を患部に直接注入することは極めてまれなことで、間接的に医薬品を投与して治療するのが通常である。
特に薬剤を口から飲み、消化器官から吸収させる方法が好まれる。吸収された薬物は体内に分布してゆき、生理作用により投与された医薬品は時々刻々と排出(排泄)あるいは変化(代謝)させられる。 この薬物の体内での挙動を体内動態とよび、4つの要素の頭文字をとって、ADME(Absorption-Distribution-Metabolism-Excretion)とも呼称する。
医薬品の安全性を担保するために主に体内吸収性や薬物安定性に関して剤形技術が研究されるが、これも薬剤学の目的のひとつである。
言い換えると、薬剤学とは医薬品の剤形とADMEに関して研究し、最大の治療効果を挙げる為の方法論を見出すことを目的とする学問である。
薬剤学はその対象・方法論などにより物理薬剤学、化学薬剤学、生物薬剤学、薬物動態学、調剤学、医療薬剤学に大別される。
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