蟲と眼球シリーズ
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『蟲と眼球シリーズ』(むしとめだま‐)は、日日日/著、三月まうす/イラストのライトノベル。全5巻。MF文庫J刊。『蟲と眼球とテディベア』は、現在「月刊コミックアライブ」にて漫画化されている(絵:浅見百合子)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
第1回MF文庫J新人賞・編集長特別賞を受賞した『蟲と眼球とテディベア』から続く一連のシリーズを指す。本作品はメタフィクションに分類されると言えよう。
[編集] ストーリー
ごく普通の女子高生・宇佐川鈴音は、恋人である賢木愚龍とともに幸せな日々を過ごしていた。しかし穏やかな日々は、突然に壊れていった。賢木の誕生日の夜、賢木は『眼球抉子』という名の少女に眼球を抉られ殺されている鈴音、そしてその状態から何事も無かったかのように生き返る鈴音を目の当たりにしたのだ。驚く賢木と呆然とする鈴音に、眼球抉子は『エデンの林檎』の存在を告げる・・・。
[編集] 登場人物
- 眼球抉子(がんきゅう えぐりこ)
- 通称グリコ。千年以上生きている少女。『蟲』を殺すことを使命としている。武器はスプーン。『林檎』の保有者となった鈴音を殺そうとするが失敗。その後彼女と友情関係を育んでいき、鈴音の優しさに救われることとなる。
- 宇佐川鈴音(うさがわ りんね)
- 私立観音逆咲高等学校に通う女子高生。のんびりとした性格。自殺しようとしたところを助けられたのをきっかけに、賢木と恋人関係になる。その際死の淵を彷徨い、『林檎』を手に入れることになる。
- 賢木愚龍(さかき ぐりゅう)
- 私立観音逆咲高等学校の教員。名高い『賢木財閥』の跡取りであり、非の打ち所の無い超人。鈴音に強い愛情を注いでいる。グリコとは喧嘩ばかりしているが、お互い信頼しあっている。『ヘビ』に、撃たれた後グリコから『林檎』を与えられる。
[編集] 七人の蟲人
- 殺原美名(さいばら みな)…<殺菌消毒>
- 神の消化器官。スプレーを用いて<<消滅霧(ジェノサイドジャスティス)>>と<<固定霧(ジャックジュエル)>>をくりだす。<終末(ジャジメント)>という奥の手がある。生前は看護婦だったが、引きこもりの末餓死、その後『大きな欠片』の力で生き返ることになる。冷めた性格。妹・蜜姫のことをかわいく思っている。
- 殺原蜜姫(さいばら みつき)…<不快逆流>
- 神の排泄器官。殺原美名の妹。無邪気な性格。天使と堕天使の二重人格。人間の負の感情を吸収して相手に返す、因果応報の能力を持つ。甘いものが好きで、殺人的甘さのチョコレートパフェが大好物。竜ゑからは、「姫さま」と言われている。殺原美名が『大きな欠片』を手に入れた際、それに巻き込まれて同時に『大きな欠片』を手に入れた。
- ムーン=レインボウ…<最弱(アルティメットシールド)>
- 神の皮膚、および骨肉。肉体操作・肉体改造の能力を持つ。神の「悪魔」の役割。「最強の盾」になることを目論む。籍口 無法(ぜきぐち なしのり)という姿で主に登場。かつては有名な奇術師だったが、その座から転落。その際の深い絶望により『大きな欠片』を手に入れることになる。
- 賢木ジョーカー…<涙歌(メロディアノイズ)>
- 神の感覚器官。空間操作の能力を持つ。臆病者で泣き虫。めったに他人の前に姿をあらわさない。賢木愚龍、竜ゑの実母。スラム街で賢木願鳳と出会い、そのまま彼に日本に連れてこられた。
- 肉山カヂリ(にくやま‐)…<一人部屋>
- 神の創造器官。神の脳髄。赤い髪の少年。「天地創造」の力を持つため、存在や事象を根底から書き換えることができる。人見知りが激しい。本名の命名者はブレイクサン=ヘンゼルマイン。
- ブレイクサン=ヘンゼルマイン…<破局(ポイズン)>
- 神の伝達器官。因果腐敗・因果歪曲の能力を持つ。緑の髪の女性。鈴音のお隣さん。因果腐敗を無自覚で行っているので他人と関われない「天然ステルス機能(本人談)」。歌が大好き。<一人部屋>と同居。
- <神蟲天皇>
- 神の体液。666人の『蟲』を自身の端末としている。
[編集] 賢木財閥関係者
- 賢木願鳳(さかき がんほう)
- 賢木財閥の現当主。愚龍・竜ゑの父親。
- 黒木竜ゑ(くろき たつえ)
- 賢木財閥の傍流・黒木家の長女。愚龍の義妹。<涙歌>の血を受け継いでいるせいか、彼女の能力の一部、「竜の吐息」や空間把握を使用することが出来る。
- 貴御門御貴(たかみかど みたか)
- 黒木家の使用人で、竜ゑの幼馴染。しかし現在は『ヘビ』が死んだ御貴に成り代わっている。竜ゑなどとの交流を通して、人間らしい性格になっていく。
[編集] その他の登場人物
- 嘆木狂清(なげき くるきよ)
- 刑事。恋人を化け物に殺されて以来、『人ならざるもの』を追っている。現在は梅と同居中。
- 相沢梅(あいざわ うめ)
- べろ包丁こと『時雨紅丸』に殺害され籍口無法により肉体改造を施され、『手長鬼』と名乗り殺人を繰り返していた少女。見えない腕を使い攻撃を仕掛ける。べろ包丁を殺した後嘆木狂清と同居していたが籍口無法によって殺害される。
- べろ包丁
- 元は『時雨紅丸』という人間だったが、『最弱』によって化け物にされ、相沢梅の両親を殺害した。
[編集] 既刊一覧
- 蟲と眼球とテディベア ISBN 4840112738(第1回MF文庫J新人賞:編集長特別賞受賞)
- 蟲と眼球と殺菌消毒 ISBN 4840114706
- 蟲と眼球とチョコレートパフェ ISBN 484011532X
- 蟲と眼球と愛の歌 ISBN 4840115931
- 蟲と眼球と白雪姫 ISBN 4840117659
[編集] 漫画版
- 「月刊コミックアライブ」にて連載中。絵:浅見百合子。
- 蟲と眼球とテディベア1 ISBN 4840116504