被子植物門
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被子植物門 Angiospermae(新エングラー) Magnoliophyta(クロンキスト) Angiosperm (APG体系) |
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被子植物門(ひししょくぶつもん)とは、植物の分類の主要な1グループ名。 顕花植物のうち、一般に花と呼ばれる生殖器官の特殊化が進んで、胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まったものをいう。 [1]
目次 |
[編集] 概要
顕花植物のうち、一般に花と呼ばれる生殖器官の特殊化が進んで、胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まったものをいう。そのため被子植物と呼ばれる。心皮が発育して果実となる。 もう一つの分類群は裸子植物と言われ、これは胚珠が子房にくるまれておらずむき出しになっており、果実も作らない。被子植物は、裸子植物的祖先から、胚珠を保護するために大胞子葉がそれを包み込み、雌しべとなって密閉したものと見られる。これによって花粉が直接胚珠に触れることが不可能となり、花粉は雌しべの柱頭に着き、ここから胚珠まで花粉管をのばす形になった。
[編集] 下位分類
これは種子から芽が出てはじめに出てくる葉(子葉)の数からつけられた名称だが、それ以外にも大きく異なる点が存在している。1990年代以降、ゲノム解析の発展と共に登場したAPG植物分類体系の考えによれば、被子植物の進化の初期に、原始的双子葉植物群が分岐し、次いで単子葉植物が分岐した。残りが単系統群の真性双子葉植物(Eudicots)を形成している。したがって、単子葉植物はまとまった一群と見なせるが、双子葉植物はまとまった一群ではないと思われる。
[編集] 重複受精
[編集] 進化
一般的には最初の被子植物は、1億4000万年前(ジュラ紀)に裸子植物から分化したとされているが、もっと昔の三畳紀に分化したとする説もある。(サンミゲリアは外見が被子植物に似ているが、真の被子植物かどうか定かでない。またシダ種子植物のカイトニアは心皮が胚珠を包む傾向があり、これらが被子植物の起源ともいわれる。)現在確認されている最も古い被子植物の化石は、ジュラ紀から白亜紀に入る頃のアルカエフルクトゥスとされており、これは水中生活に適応して特殊化したともいわれるが、まだ花がコンパクトにまとまらず1つの枝のように見える。被子植物は、白亜紀以降、繁栄の時代を迎えた。
[編集] 分類
植物分類学に関する知識が変わると共に、植物の分類法も修正を重ねてきた。形態などの表現型を基にした従来の分類法には大きく分けて数種類が用いられており、コンセンサスがあるわけではないが、代表的なものに新エングラー体系やクロンキスト体系がある。
1980年代以前の標準的な分類法は、新エングラー体系であった。この分類体系は直感的で分かりやすいため、市販の図鑑等に現在でも広く使われている。
1980年代になると、クロンキスト体系(1981年、Arthur Cronquist)が登場し、学術分野におけるデファクトスタンダードの地位を占めるようになった。[2]
以上は表現型を基にした分類法であるが、1990年代以降は、進化系統をより直接的に反映すると期待されるゲノム解析による分類の研究が盛んとなり、その中で有力なAPG植物分類体系が将来のスタンダードになるべく整備されつつある。これは従来の分類法と異なる点も多く(従来の科が解体または統合された例も多い)、詳細についてはまだ完全に確立されたものではないが、すでに広く採用されつつある。
[編集] 代表科
代表的な被子植物を種が多い順に挙げると以下のようになる。
- キク科 25,000種(キク目 キクの仲間)
- ラン科 18,000種(ラン目 蘭の仲間)
- マメ科 17,000種(マメ目 エンドウマメの仲間)
- イネ科 9,000種(カヤツリグサ目 イネ、竹、芝の仲間)
- アカネ科 7,000種(アカネ目 コーヒーの仲間)
- トウダイグサ科 5,000種(トウダイグサ目 トウダイグサの仲間)
- カヤツリグサ科 4,000種(カヤツリグサ目 スゲの仲間)