試走
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
試走(しそう)とは、オートレースの選手紹介を兼ねた模擬走行(競艇の周回展示に相当)である。
オートレースでは前の競走が終了した後(第1競走だけは試走開始時刻が設定されており、何らかの問題が無い限りその時刻から開始される)に、競走に出場する選手が枠順通り走路上に登場。4周回模擬走行を行う。最終の第4周回は各選手全力で走行することが義務付けられており、その周回のスタート線(0メートルハンデ線)からゴール線までのタイムが試走タイムとして公表される。
観客はこの試走での動きとタイムを見て選手の競走車の調子を判断することになる。しかし、タイムだけでは判断の材料としては不足であるといわれる。選手の中には試走では若干手を抜き、本走(本番の競走を指す)で本気を出すという者もいるからだ。また、先頭を走る1号車の選手は前に目標が無いため後続の選手より若干タイムが劣る場合がある。
因みに、試走での動きが著しく悪い場合、若しくは、試走時に内線突破・外線突破などの反則をしてしまった場合、再試走が行われることがある。こちらは再試走を命じられた選手のみがピットから再び走路に出てきて、本試走と同様に走行するもので、この場合も前に目標とする選手が走っていないため、タイムが若干劣る場合が多い。
試走タイムはかねてから公表されていたものと思われがちだが、意外とその歴史は浅く、最初に公表されたのは1987年3月31日の第1回スーパースター王座決定戦で、全国で公表されたのは同年10月7日の第19回日本選手権オートレースが初である。それ以前は試走は前走とも呼ばれ、各予想屋が独自にタイムを計測し発表していた。