谷智彦
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谷 智彦(たに ともひこ、1973年 - )は日本の政治運動家、IT関連会社社長。青森県出身。中央大学理工学部卒業。別名、選挙男。
匿名掲示板2ちゃんねるの人権擁護法案を危惧するスレッドでは、2005年東京都議会議員選挙において、推進派勢力の勝敗によって都議会選挙後に国会に提出されると予測され、都議会選挙の結果が人権擁護法案の成否に直接結びつくとする意見が出た。そのため、人権擁護法案を廃案に持ち込みたい立場から、都議会選挙において2ちゃんねらーに何が出来るか意見が飛び交うようになる。そんな中、当選を度外視した上で人権擁護法案反対のためだけに都議会選挙に立候補を示唆するカキコが出た。その時点で立候補の締め切りまで24時間を切っていた状況であるが、立候補表明者を応援するカキコが急増した。しばらくして最初の表明者は立候補辞退を表明したが、「都議選立候補によって人権擁護法案の問題点に国民的関心を集めること」を具現するため、限られた時間の中で2ちゃんねらーは第二の立候補予定者や選挙運動をするために必要の情報の投稿をし、様々な情報を集めた。そんな中、谷智彦が趣旨に賛同し、2ちゃんねるで都議会選挙立候補を表明する。
谷は2ちゃんねらーに助けられながら、都議会選挙に目黒区から立候補手続きを終了させ、立候補者となる。ウェブ上では一部2ちゃんねらーの応援もあり、物語が進展して注目を集めた電車男にちなみ、「選挙男」と呼ばれ、新聞などのメディアでも報道された。
選挙運動は平日昼間は仕事があったため、朝夕に街頭演説を行った。土日は選挙区の目黒区外へ越境し、人が多い新宿や渋谷、パソコンユーザーの多い秋葉原などで演説を行った。人権擁護法案の廃案とネット選挙に関する規制緩和のための公職選挙法の改正などを街頭で訴えた。選挙公報にはギコ猫の絵とともに「人権擁護法案反対」の公約が明記されていた。
選挙の結果、わずか1478票で最下位落選となった(最下位当選者の得票は19532票)。供託金60万円は没収された。