貧乳
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貧乳 (ひんにゅう)とは女性の小さい乳房に対して使用される言葉。Aカップ未満程度のサイズの場合に使用されることが多いが、相対的な概念であって明確な基準があるわけではない。対義語は巨乳。
貧乳の「貧」は、英語のpoor breastsの直訳からきたものと考えられるが、侮蔑的な意味合いがあるので、使用することは望ましくないと考える人もいる。価値中立的な微乳(俗語)と言い換えられることもある。
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文化
古来、日本の文化では、女性の乳房は大き過ぎない方が良いとされていた。これは乳房が大き過ぎると、伝統的な衣服である和服を着用する際にずんぐりとした体に見える上、不様に着崩れしやすく、粋な美しさがなくなると考えられたためである。現在でも、着付け業界では「乳房の大きい女性は和服が似合わない」とされることが多い。
洋服文化が広がり、和服が日常着の地位を失っても、1960年代くらいまでは大きな乳房は「無駄に扇情的」といわれ、コンプレックスの対象になる事が多かった。1970年代頃からは、洋装が完全に定着したことや、栄養状態の改善の影響で乳房の大きい女性が増えたこともあり、大きな乳房がコンプレックスになることも少なくなっている。逆に貧乳に対してコンプレックスを抱くケースも出ている。(このため、パッドや固形ジェルを乳房にあてることで乳房が大きいように見せる、いわゆる「偽乳」を行う女性もいる。)
※下着メーカートリンプの日本法人が行ったトリンプ「ボディサイズの理想と現実アンケート(2005)」によると、胸のボリュームを出したいと答えた女性が34%だったのに対して、ボリュームを抑えたいと答えた人は5% となっている。
※日本人の女性の平均カップサイズはトリンプ調査によると以下のように推移している。
調査年 | Aカップ | Bカップ | Cカップ | Dカップ | E以上 |
---|---|---|---|---|---|
1980年 | 58.6% | 25.2% | 11.7% | 4.5% | - |
1990年 | 44.7% | 30.5% | 21.4% | 10.0% | 7.6% |
1992年 | 25.9% | 28.3% | 24.1% | 12・8% | 8.9% |
1996年 | 23.8% | 34.2% | 23.9% | 11.7% | 6.4% |
2004年 | 10.2% | 27.8% | 27.8% | 21.5% | 12.7% |
貧乳への執着
日本人男性は、諸外国に比べて(ロリータ・コンプレックスではなく)乳房の小さい女性に対しより性的魅力を感じる人が多いと言われている。和服文化の伝統や日本の平均的美人観の影響があると考えられている。
貧乳への執着を示す表現としてごく一部では、貧乳を好む人のことを『ヒンヌー教』『ヒンヌー教徒』(ヒンドゥー教の語呂合わせ。おそらく貧乳を崇め奉るという意味合い)と呼ぶことがある。
関連事項
外部リンク
- アップルC・D 代表的なバストアップ・ブラ
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