起請文
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起請文(きしょうもん)は、日本でかつて作成されていた、人が約束や契約を交わす際、それを破らないことを神仏に誓う文書である。単に起請ともいう。
起請文は、まず約束や契約の内容を書き、次に差出者が信仰する神仏の名前を列挙し、最後に、約束を破った場合にはこれらの神仏による罰を受けるという文言を書く。後二者を「神文(しんもん)」または「罰文(ばつぶん)」といい、契約内容を書いた部分を神文の前に書かれることから「前書(ぜんしょ)」という。
鎌倉時代後期ごろから、起請文は各地の社寺で頒布される牛王宝印(ごおうほういん。牛玉宝印とも書く)という護符の裏に書くのが通例となった。ここから、起請文を書くことを「宝印を翻す」ともいう。特に熊野三山の牛王宝印がよく用いられ、熊野の牛王宝印に書いた起請文の約束を破ると熊野の神使である烏が一羽死ぬとも言われた。
[編集] 参考図書
- 『起請文の精神史ー中世世界の神と仏』佐藤弘夫 講談社選書メチエ ISBN 4062583607 2006年
[編集] 外部リンク
調査研究
いろいろな起請文