追い出しの定理
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追い出しの定理(おいだしのていり)とは、ある数列および関数の極限が正の無限大(負の無限大)に発散する場合、常にその数列および関数よりも大きい(小さい)数列および関数の極限は、正の無限大(負の無限大)に発散するという定理。ただしこの用語法はそれほど一般的ではなく、主に大学受験数学の分野で使われる。追い出しの原理とも。
命題の形で丁寧に書き表せば以下のとおりである。
数列 an と数列 bn の間に an ≤ bn なる関係が十分大きな全ての自然数 n に関して成り立ち、
が成り立つならば、
も成り立つ。
これは発散を厳密に定義すれば定理(Theorem)というよりは定義の系(Corollary)といってよいぐらいの自明な内容であるが、日本の高校で一般に教えられる直感的な定義のみではきちんと言及できないため、受験数学では「事実として用いてよい」として扱われる。