金子マーティン
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金子 マーティン(Kaneko Martin 1949年7月20日 - )はオーストリア国籍の社会学者。哲学博士。現代社会思想史専攻。差別問題の専門家で、ロマ民族(いわゆるジプシー)の迫害史やホロコーストを研究している。
イギリス・ブリストル生まれ。1956年、両親と共に来日。神奈川県で育ち、日本の高等学校を卒業。
1966年にオーストリアへ渡り、ウィーン大学哲学部日本学科に入学。1973年から1975年まで京都大学経済学部研修員。1978年、ウィーン大学大学院日本学研究所日本学専攻博士課程修了。同年、ウィーン大学日本学研究所助手に就任(のち講師)。1983年、オーストリア国籍を取得。
部落解放研究所の村越末男と親しく、1988年には部落解放同盟が反差別国際運動(IMADR)を組織する際に協力したことで知られる。
1991年秋に再び来日し、日本女子大学人間社会学部現代社会学科助教授となる。1997年、「週刊金曜日」誌上に「『ガス室はなかった』と唱える 日本人へ捧げるレクイエム」と題する文章を寄稿し、ホロコースト否定論を批判したため、ホロコースト否定論者木村愛二から名誉毀損で提訴されるも、1999年に請求棄却となる。