雑餉隈
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雑餉隈(ざっしょのくま)は、福岡県の地名のひとつで、概ね福岡市博多区南部と大野城市西部にまたがる地域を通称として指す。全国随一の難読地名としてたびたび話題に挙げられる。
[編集] 歴史
名そのものの由来は、貝原益軒編纂の筑前国続風土記によるならば、その昔大宰府へ向かう人々を主な対象とした多くの店が連なっていた場所であったこと、または大宰府の官人の雑掌居があった場であることにあるかもしれぬとされている。また同書によれば、同書の編纂期における雑餉隈は、那珂郡井相田村(現福岡市博多区井相田)に属するそれと山田村(現大野城市山田)に属するそれとで、西と東の二村に分かれていた。
[編集] 現在
行政区名としての使用は大野城市の雑餉隈町(大野城市域北部、博多区との境界付近、1丁目から5丁目まで)に限られているが、西鉄天神大牟田線雑餉隈駅の南側、JR鹿児島本線南福岡駅の東側に広がる街一帯(東雲町・春町・西春町・寿町・元町・相生町・銀天町)を指す通称として用いられることが多い。
この地には、銀天町商店街という商店街がある。また、第2の中洲とも呼ばれ、名のある歓楽街(風俗街)でもある。ただ、最近は風営法の改正による取り締まり強化により、多くの風俗店が閉店を余儀なくされた。
[編集] 関連事物
この名が冠された事物としては以下のようなものが挙げられる。
- 西日本鉄道天神大牟田線の駅。福岡市博多区内。
- 雑餉隈保育園(公式)
- 社会福祉法人千代福祉会運営の保育園。福岡市博多区内。
- 雑餉隈恵比須神社
- 事代主神および火産霊神を祀る神社。大野城市内。
- 雑餉隈公民館および老人憩いの家
- 大野城市雑餉隈街区の公民館、およびこれと一体になった老人憩いの家。雑餉隈恵比須神社の東脇に所在。
※JR南福岡駅は1966年まで雑餉隈駅と称していた。