電気保安操作
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電気保安操作(でんきほあんそうさ)は、発電・変電・送電・配電・受電設備、電力機器等の工事・整備・点検の際の作業員の安全を守るための操作である。
基本は、無電圧にすることであるが、近年は不可能なことも多い。
[編集] 電源の遮断
電源の遮断の基本は、負荷機器に近い所(下流側)から行うことである。
- 分岐回線の配線用遮断器を開放する。
- 全ての分岐回線を開放した後、低圧側主遮断器を開放する。
その後、高圧機器の操作に入る。
- 受電用遮断器を開放した後、電源側開閉器を開放する。
- 送電禁止札の取り付けや、充電区間表示・絶縁防護具の取り付け、施錠などを行う。
- 無電流にしてから、断路器および断路機能しかない接点を開く。
- 高圧用検電器で停電の確認をし、接地具を取り付ける。
- 系統ごとに残留電荷の放電(大地へ逃がす)を行う。
- 作業開始の合図を行う。
電源の供給は逆の手順で行う。
[編集] 作業指示の方法
作業指示は、他の意味に取られるような言葉では行わないようにしなければならない。
無電圧にするときに「電源を切れ。」と指示したところ、ペンチで電圧のかかった電線を切断し電気事故になったことがあったため、電力関係の保安操作指示では「開く」・「Off」・「開放」などが用いられる。
さらに、かつては接地具を付ける際に「接地をとる」と言われていたことがあった。しかし、“とる”という表現は、付けるのか外すのかあいまいであるため、用いられなくなった。あくまでも接地は「付ける」か「外す」と表現すべきである。
また、左から何番目などでは無く、機器の正確な名称・番号で指示し、名盤を指差喚呼してから操作させるべきである。