霊公 (晋)
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霊公（れいこう、？ - 紀元前607年9月27日）は、中国春秋時代の晋の君主（在位：紀元前620年 - 紀元前607年）。姓は姫、諱は夷皋。襄公の子。
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[編集] 略歴
[編集] 幼君擁立
霊公の父の襄公は若くして夭折したので、太子の夷皋はまだ幼かった。 当時晋では、霊公の祖父の文公は即位したとき既に老齢であったため在位わずか9年で没し、文公の子の襄公も即位して7年で夭折したので、晋が文公の代に手に入れた覇権を維持するために正卿趙盾は大夫たちと話し合い、当時秦にいて盛名が高かった公子雍を呼び戻して晋公とすることにした。
ところが狐射姑は陳にいた公子楽を呼び寄せて晋公にしようとしていたので趙盾はこれに刺客を放って公子楽を殺し、狐射姑は亡命した。しかしこのことで反対派の動向を恐れるようになった趙盾は考えを変え、夷皋の母の穆嬴が晋の大夫たちを説得して回ったこともあって夷皋を晋公に立てることにし、秦軍の護衛を受けてやってきた公子雍を軍を出して追い払った。この時に公子雍を迎えにいっていた先蔑と士会は秦へ亡命したが、士会が秦に仕えることを憂えた趙盾は策をもって士会を晋に呼び戻した。
[編集] 趙盾との対立
当初は趙盾の言うことをおとなしく聞いていた霊公だが、長ずるに従い趙盾に逆らうようになり、趙盾が諌めても聞こうとしなかった。 霊公が成人すると晋は趙盾の勧めによって会同をおこない、斉を討つことにした。霊公は会同の地に赴いたが、斉が賄賂を使ったために霊公は斉の討伐を取りやめた。これに怒った鄭は「晋君に盟主と仰ぐ価値はない」として楚を盟主した。
またあるとき、霊公は熊の手を煮た料理がよく煮えていなかったと言って料理人を殺し、その死体をもっこに入れて婦人に担がせて運び出させたところ、たまたまそこに趙盾と士会が通りかかった。趙盾が霊公を諌めようとすると、士会は「正卿のあなたが諌めて聞き入れられなければ後に続くものがいません。まずはわたしが諌めてみましょう」と言って、通りかかった霊公の前に進み出た。霊公はこれを無視しようとしたので、士会は三度霊公の前に進み出て拝した。 霊公はようやく立ち止まり「わたしの罪はわかっている。今後はあらためるつもりだ」と言った。 士会は「過ってのちにあらためることが出来れば幸いです」と言った。 しかし、その後も霊公の乱行はあらたまらなかった。
趙盾と霊公の対立は日に日に深まり、紀元前607年に霊公は趙盾を殺すために鉏麑と言う刺客を送った。
鉏麑は趙盾の屋敷にやってきたが、趙盾の身の修め方を見て趙盾を殺すことが正しくないと考え、自ら頭を木に打ち付けて自殺した。霊公はそれでも諦めず、宴に刺客を潜り込ませて趙盾を殺そうとした。趙盾は人の助けによりこれを逃れ、亡命した。 霊公は「これで聴政をおこなわなくてすむ」と言って、物見台から往来の人に石を弾いて驚くさまを見て喜んだ。
[編集] 横死
趙盾の従兄弟の趙穿は趙盾に対する扱いに怒り、霊公を殺した。この時に趙盾はまだ国境を出ておらず、慌てて晋の宮殿に戻り、襄公の弟の公子黒臀を迎えて晋公に立てた。これが成公である。
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