霊園
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霊園(れいえん)とは、広い土地に公園風に作られた共同墓地のこと。公園墓地ともいう。
19世紀の産業革命による都市への人口の流入の為に、都市部に公営墓地が誕生した。これが公園墓地(霊園)のはじまりである。ヨーロッパでは墓地は福祉サービス・行政サービスの一環として、都市計画に盛り込まれて発展していった。イギリスの福祉政策の「ゆりかごから墓場まで」という言葉が、墓地の位置付けをよく示している。
日本で最初の霊園は1923年(大正12年)に開園した多磨霊園である。それ以降に作られた霊園は、ほとんどがこれをモデルにしている。
多磨霊園の登場はこれまでの墓地感を大きく変えるとともに、現代にまで影響を及ぼす、時代を画す墓地となった。公園様式によって、それまでの暗く非衛生的なイメージが一新された。はじめは遠く見たこともない公園墓地になじめない人も多かったが、公園の景観が人気を得て、公園墓地様式は地方都市へも広がっていった。
運営団体により「公営霊園」と「民営霊園」があるが、ともに境内墓地と違い宗教や宗旨・宗派の制限はほとんどない。また、動物は人間用の墓地に埋葬できない為、ペット用の霊園もある。
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[編集] 公営霊園
公営霊園とは、都道府県や市町村などの自治体が管理運営している霊園。
永続性が保証されている。交通の便が比較的良く、設備が整っている。永代使用料や年間管理費が比較的安い。宗教や宗旨・宗派の制限はない。
住民であることや遺骨を持つなどの申し込みの資格が限られる。随時募集を行っている公営霊園は少なく、年に一回程度で多くは抽選方式。競争倍率が高く手に入りにくい。墓石の形や高さに制限がある場合もある。
[編集] 民間霊園
民間霊園とは、一般的に財団法人または宗教法人が事業の主体になる霊園のこと。
墓地を購入するための資格が限定されない為、生前建墓(寿陵)も可能。宗教や宗旨・宗派はほとんど問わない。墓石のデザインや大きさに制限がない場合が多く、自由度が高い。
公営霊園に比べると、永代使用料や管理料が多少割高。石材店が指定されている場合も多い。
[編集] ペット霊園
ペット霊園とは、化製場等に関する法律(昭和23年法律第140号)第1条に規定されている獣畜以外の犬・猫・その他の人に飼育されていた動物を対象とする。廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第2条の1、2により、ペットの遺体は一般廃棄物と定義されており、川や公園などにペットの遺体を埋葬することは法律違反となる。(ただし、庭等の私有地への埋葬は可能)
人間と同様の専用の墓地・お墓に納骨するもの、納骨棚・納骨堂等の施設があり遺骨を預かってもらう形式のものなどがある。
[編集] 関連項目
- メモリアルパーク