音挿入
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音挿入(おんそうにゅう)とは、発音の便宜のため、語の途中に子音や母音、音節が挿入される現象をいう。
[編集] 日本語
例えば、「はるさめ」は「はる」と「あめ」の間に子音sが挿入されてできた語形である。この他にも「あまり」から「あんまり」ができたり、「まひる」から「まっぴるま」ができたりしている。
また漢語や外来語で原語で子音で終わったり、子音が連続している場合には母音のi,o, uが挿入される。例えばstrikeはストライキ(sutoraiki)やストライク(sutoraiku)となる。漢語では語末の入声(内破音)に母音が挿入され、肉(ニク)や一(イチ・イツ)、立(リフ)などとなった。
活用では存在を表す動詞だった「ある」(-ar-)が動詞の語幹につくことで受身・尊敬・可能・自発を表したが、母音語幹動詞につく場合には母音の連続を避けるため、rが挿入されている。現代語ではeが挿入されたことでrがさらに挿入された。
- 書く:kak+ar+u(書かる)→kak+are+r+u(書かれる)
- 起く(起きる):oki+r+ar+u(起きらる)→oki+r+are+r+u(起きられる)
他に「る」「さす(させる)」「れば」「れども」なども同じ理由で母音語幹動詞にrやsが挿入されている。