食の砂漠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
食の砂漠(しょくのさばく)とは、都市の中心市街地において発生する食料品・日用品店の撤退した地区のこと。英語の"Food Desert"の直訳であり、単に「フードデサート」と呼ばれることもある。
都市によっては、その中心市街地において業務地の拡大や自動車交通の普及・発達の影響による商店の郊外への移転などに伴い、食料品店が撤退してしまう、若しくは品揃えが悪い・値段が高い等といった商店しか残らないなどの理由で、特に生鮮食料品の購入が困難となる地区が発生することがある。一方でこのような地区は元来の市街地であることから従来からの居住者が一定程度残留しており、このような居住者は商店の撤退に伴い日常の購買行動や重大な支障をきたすのみならず、生鮮食料品の摂取量の不足による健康を悪化させるおそれも生ずる。特に低所得・高齢などのために住み替え能力の低い居住者が取り残される傾向が強く、社会的排除の典型例として問題視されている。このような地区の発生による問題を「食の砂漠」問題(Food Deserts Issue)という。
カテゴリ: 都市問題 | 人文地理学 | 地理学 | 地理用語関連のスタブ項目