高カリウム血症
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高カリウム血症(こうかりうむけっしょう)は何らかの原因により血中のカリウムの濃度があがってしまう電解質代謝異常症のひとつである。災害時、挫滅症候群(クラッシュシンドローム)として発症する場合もある。カリウムの血中濃度が関係している症状に低カリウム血症がある。
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[編集] 症状
カリウムは本来は体内に必要不可欠なミネラルのひとつである。しかし、血中濃度が異常にあがりすぎた場合、人体に重篤な悪影響を及ぼす。主な症状は
などがあけられる。そのまま放置しておくと重篤な心不全となり心停止に至る可能性がある。
[編集] 原因
- 肝機能、腎機能等が何らかの原因で本来の機能を果たせていない場合、尿によるカリウムの体外排泄が正常に行われていない。
- カリウムを多く含む食品の過剰摂取。
- 細胞内に存在するカリウムが何らかの原因で細胞外への流出。
- 細胞内からカリウムが流出する原因としては
[編集] 治療法
短時間で重篤な症状に陥りやすいので、まず迅速に血中のカリウム濃度を下げる必要がある。高カリウム血症で最も致命的なのは不整脈の発生である。特に心室頻拍、心室細動には気をつけなければならない。大抵の場合は生化学的検査では時間がかかりすぎてしますので、心電図による高カリウム血症の所見によって治療方法を決定する。
- 不整脈の予防
- 高カリウム血症で致死的なのは不整脈であるので、それさえ防げれば、しばらくは時間を稼ぐことができる。そのための治療としてカルシウム製剤の投与を行う。血中カルシウム濃度が高いと心筋は不整脈を起こしにくいということが知られており、これを心筋保護作用という。処方としてはグルコン酸カルシウム(カルチコール)を10ml投与する。
- 高カリウム血症自体を治す
- 原疾患の治療
- 緊急的な状況を上記の方法で防げたら、原因を調べてそれぞれの原因(肝不全、腎不全、カリウム過剰摂取等)に見合った処置を行う。
[編集] 外部リンク
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