鬼界カルデラ
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鬼界カルデラ(きかいカルデラ)は、薩摩半島から約50km南の大隅海峡にあるカルデラ。薩南諸島北部にある薩摩硫黄島、竹島がカルデラ北縁に相当する。薩摩硫黄島はランクAの活火山に指定されている。鬼界ヶ島にちなんで名付けられた。
カルデラは北西-南東約25km、北東-南西約15kmの楕円形であり、複数のカルデラが複合したものと考えられている。カルデラ底部の水深は400-500m、海底には多数の海底火山があり起伏に富んだ地形になっている。
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[編集] 主な噴出物
- 約58万年前
- 小瀬田火砕流(Ksd): 別のカルデラを起源とする説もある。
- 約14万年前
- 小アビ山火砕流(Kab): 硫黄島と竹島でのみ確認されている。
- 約9万5千年前
- 鬼界葛原(きかいとずらはら)火砕流(K-Tz): 長瀬火砕流とも呼ばれる。体積は約150km3。
- 約7300年前
- 幸屋降下軽石(K-KyP): 体積は約20km3。
- 幸屋火砕流(K-Ky): 竹島火砕流とも呼ばれる。体積は約50km3。
- 鬼界アカホヤ火山灰(K-Ah): 体積は約100km3。
[編集] 有史以降の火山活動
- 1934年(昭和9年)-1935年: 硫黄島から約2km東方で海底噴火。
- 直径約300m、標高約50mの昭和硫黄島が形成された。
- 1936年(昭和11年): 薩摩硫黄島の硫黄岳で噴煙を観測。
- 1988年(昭和63年): 薩摩硫黄島の硫黄岳で噴煙を観測。
- 1999年(平成11年)-2004年(平成16年): 薩摩硫黄島の硫黄岳で断続的に噴火。
[編集] 参考文献
- 町田洋他編 『日本の地形7 九州・南西諸島』 財団法人東京大学出版会、2001年、ISBN 4-13-064717-2。
- 町田洋、新井房夫 『新編 火山灰アトラス − 日本列島とその周辺』 財団法人東京大学出版会、2003年、ISBN 4-13-060745-6。