魂魄
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魂魄(こんぱく)は、一般的には、肉体に対する「精神」または「たましい」のことである。文化や宗教観により、さまざまな見方があり、死後も消滅せずに娑婆世界のどこかに残り、「心霊現象」を起こすと考える人、浄土、彼岸、あるいは基督のいる天国に行くと考える人、地獄・餓鬼・畜生・人などの六道のどれかに生まれ変わる「来世」があると考える人などがいる。
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[編集] 東洋医学における魂と魄
いわゆる「死後の世界」については、いかにもまことしやかに書かれた本がかなりあるが、実際には、脳死どころか、植物状態からでも生き返った人はいない。「ない」と見るのが、最も合理的と思われる。
ここでは、東洋医学における、魂と魄について考えてみたい。
[編集] 魂
東洋医学において、魂とは、肝臓に宿り、人間を成長させて行く生命エネルギーであり、また、こころを統制する働きだとされている。漢字の部首は「鬼」であるが、この「鬼」が現在の「靈」とほぼ同じ意味で、頭にまだ少し毛が残っている白骨死体の象形文字である。左の云は、「雲」と同じで、形のないもの、つかみ所のないものの意味である。魂が強くなると、起こりっぽくなるとされる。精神の根本という意味では、「魂消(たまげ)る」という語がよくそれを表している。たましいが肉体から離れて天に昇ってしまうと言う意味で、漢語でも魂銷という。
[編集] 魄
「魄」のほうは、文字通り白骨死体を意味する文字で、人間の外観、骨組み、また、生まれながらに持っているカラダの設計図という意味がある。五官の働きを促進させ、成長させる作用があるとされる。肺臓に宿り、強すぎると物思いにふけるとされる。 外観という意味では、「落魄(らくはく、落ちぶれて見てくれまでひどく悪くなる)の語がよくそれを表している。