黒田鉄山
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黒田 鉄山(くろだ てつざん 1950年 - )は、埼玉県大宮市(現さいたま市)生まれの武術家。振武館主。
幼少より祖父(黒田泰治)や父(黒田繁樹)から家伝の武術(以下の5つの流派)を学び、現在では宗家となっている。
- 駒川改心流剣術
- 四心多久間四代見日流柔術
- 民弥流(民彌流)秘術居合術
- 椿木小天狗流棒術
- 誠玉小栗流殺活術
「動きを消すこと」をキーワードとして武術の研鑽と研究を積み、現代最高の武術家の一人と推す声もある。
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[編集] 武術論
[編集] 武術的身体
黒田鉄山は勝負事や強い弱いには関心が薄いと自ら述べている武術家である。彼の関心は家伝の武術を通した武術的身体の探求にある。彼は武術的身体を次のように定義している。
- 武術的身体とは、武術の修練によって培われた非日常的な働きを有する武術的な術技的身体であると同時に芸術的普遍的価値を有する理想的な美的身体であり、自然体とも言われるものである。( 『気剣体一致の武術的身体を創る』P.16 )
武術的身体の獲得を可能にするのが型の稽古である。 黒田は「型は実戦の雛形ではない」という。戦いの中で型の順序そのままに動くことには意味がない。型は実戦に対応することができる身体と動きを作り上げるための手段である。型には一般的、日常的な動作から離れた身体運動を要求してくる部分がある。慣れてしまった日常的な動きから離れるのはとても難しいことであるが、型の要求どおりに正しく動こうとすることで動きの質が変化する。
[編集] 身体操法に関する用語
- 順体法
- 「手を以ってせず足を以ってせず」「動かずに動く」手先や足先で動くのではなく身体全体から動くこと。
- 無足之法
- 地を蹴らずに歩む歩法。身体が倒れる力を利用する。
- 浮身
- 引力に逆らわずしかも浮き上がるような感覚での身体の使い方を差していう。
- 最大最小理論
- 最も大さな動きによって最小の動きを作り出す。
- 等速度運動
- 初動から終動までを同じ速度で動く。「消える動き」の要となる。この動きの反対が、初動から段々とスピードを上げてゆく加速度運動である。
[編集] 著作の一部
- 『武術談義』(甲野善紀と共著)壮神社 ISBN 4915906035
- 『消える動きを求めて-鉄山パリ合宿記』 合気ニュース ISBN 4900586102
- 『気剣体一致の武術的身体を創る』 BABジャパン
- 『気剣体一致の「改」』 BABジャパン
- 『気剣体一致の「極」』 BABジャパン
ほかに、武術雑誌『秘伝』、季刊誌『道(どう)』(旧『合気ニュース』)に連載を持つ。
[編集] 外部リンク
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