Cannal Duke事件
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Cannal Duke事件(カナルデュークじけん)とは、Cannal Duke と呼ばれる荒らしプログラムにまつわる事件。Cannal Duke は、2002年当時、大手掲示板の2ちゃんねるを含むほぼすべてのWebサービスにDoS攻撃を行えるプログラムであった。
[編集] 概要
2002年夏、Loge(現在はVVS)と名乗ったクラッカーによって作成された Cannal Duke がばら撒かれた。当時、荒らしプログラムの配布はそれほど珍しい事ではなかったが、Cannal DukeはHTMLの解析機能やHTTP cookieへの対応、HTML フォームへの自動入力などといったウェブブラウザの機能を模した設計がなされており、2ちゃんねるへの連続投稿まで出来てしまった「優秀な」ものであった。
これを入手したスクリプトキディたちは様々なWebサービスへの攻撃を行った。その対象の中には、当時ハッカーグループとして一大勢力であった BackSection や Cryackerz に所属していた Office(河合一穂)、邪悪神父などの集う Exterminate BBS があった。曲りなりにもハッカーを自称していた彼らは、自らの面目を保つ為に、Cannal Duke 製作者の Loge を追い詰める算段をし、弁護士の存在をちらつかせるなどして Loge に謝罪させた。
Cannal Duke はアリス・リデルの関与が噂されたが、当時 Loge とアリス・リデルの間に関係はなく、アリス・リデルの「無関係声明」により Loge への糾弾が強まったとされる。アリス・リデルが関与していたなら、ハッカーグループ同士の対立を恐れて事件化しなかった可能性が高い。