Damsel in distress
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Damsel in distressは、映画、小説などに登場する類型的なキャラクター、役割である「危機に陥る女性」を指す。複数形で表記する場合もある。略称はDID。
[編集] 概要
娯楽小説や映画などフィクションにおける活劇に登場する若い女性に、ほぼ必ず与えられる役割がこのDamsel in distressである。特に勇敢な主人公が救出すべき対象として好んで用いられるモチーフである。こうした女性は若く魅力的で、悪漢や怪物、異星人などにさらわれ危機に陥ることが多い。多くはその際に縄や拘束具で縛られ、あるいは檻に入れられ、または監視付きの軟禁状態で自由を奪われていることがほとんどである。救出された場合に主人公と恋に落ちることも少なくない。西部劇などで多く見られたこうしたヒロイン像は、その後の活劇にも様々な形で用いられている。
[編集] 発展
多くの映画やテレビドラマなどでこうした場面が一般の女優によって演じられて来た結果、こうしたシーンに著しい興味を引かれる人々が存在している。ジョン・ウィリーやアービング・クロウらが出版した多くのボンデージマガジン、ボンデージコミックはこうした嗜好をよりフェティッシュなものへと昇華させた。1950年代に彼らの出版したBizarreなどには衣服を着たままで拘束される美女(出版規制もありNo Nude No Sexであった)が多く載せられ、Damsel in distressのみを切り出していた。後に一般家庭での録画が可能になるとサスペンスドラマにおいて人質役の女優のその場面を録画してそれだけを集める、などごく少数のマニアに好まれるジャンルとなった。日本でも少数ながら愛好者が存在している。