G=ヒコロウ
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G=ヒコロウ(じー ひころう、本名:遠藤大、男性、1971年1月13日 - )は、日本の漫画家。神奈川県厚木市出身。
代表作は『不死身探偵オルロック』、『みんなはどぅ?』など。2ページから8ページほどのショートギャグを主に掲載。他にもカードゲームなどイラスト関係の仕事や、アンソロジー等の仕事もこなす。また、同人活動も行っている。少年雑誌や青年雑誌で連載を持つことはほとんど無く、成人向け漫画雑誌を主な活動の場としている。
ペンネームの「G」は『ドラゴンクエストシリーズ』に登場する呪文の一つ・ギガデインに由来するという説があり、そして「ヒコロウ」は鳥山明の代表作『ドラゴンボール』に登場するキャラクター・ピッコロに因むらしい。
目次 |
[編集] 来歴
高校生の時に同人活動を開始。その傍ら、商業誌で数々のアンソロジー漫画(主にゲーム系)を手掛けていた。
後の1996年に新声社の漫画雑誌「コミックゲーメスト」にて日記漫画『みんなはどぅ?』で初の連載漫画に挑戦。当時25歳。この作品は後に単行本化されたが、新声社の倒産と共に掲載誌のコミックゲーメストは廃刊となった。
その後、コアマガジン社の成年向け漫画雑誌「ホットミルク」に活動の場を移し、『みんなはどぅ?』の連載を再開。この頃から2ページにまとめる事が多くなった。しかし後にホットミルクは廃刊。同社の雑誌「メガキューブ」に場を移し、『みんなはどぅ? メガキューブ』と改題した上で再度連載を再開するが、メガキューブもまた廃刊となる(「メガプラス」と名称を変更)。メガキューブ時代の作品、新声社時代の作品はそれぞれ『みんなはどぅ? メガキューブ』『みんなはどぅ? ZONBIE』として共に単行本化。
コミック「ファミ通ブロス」にて『プロフェッサーシャーボ』を連載。作者の休載の多さと少ページにギャグを詰め込む独特の作風のせいか、単体で単行本化することはかなわなかったが、『プロフェッサーシャーボ』連載終了後、同じくファミ通ブロスにて『不死身探偵オルロック』を連載。欄外に編集者から「オルロックは連載なんですよヒコロウさんよ・・・」と書かれるほど不定期連載であったが、連載中に『不死身探偵オルロック』と『プロフェッサーシャーボ』を収録した単行本が発行された。単行本化の際に収録されなかった話が数話あり、ファンの要望により未収録分+プロフェッサーシャーボ(4コマを除く)、更にマジキューで連載していたが3回で連載が終了してしまった『オダキュー』が収録された『不死身探偵オルロック完全版』を発行した。
他、アーケードゲームの攻略情報の提供を専門とする雑誌「アルカディア」にて、DragonLEE執筆のゲーム関連コラム『Joystick Troopers』で挿絵を担当していた(創刊~2006年1月号まで掲載、全71回)。これまでの連載作の中では珍しく、毎号原稿を掲載できていたようだ。
現在はコアマガジン刊「コミック・メガプラス」にて『ススーム』を連載中。
[編集] 作風
(以下主観混じりな点もあるので注意)
全体的に見て、アメリカンコミックのテイストに近い、ポップでありながらディテールに凝った絵柄(日本漫画学院によるインタビューでは全くの我流だと語っている)、破綻ギリギリのキャラクター(そしてやはり破綻する場合もあるが)、そして1ページあたりのネームの密度の濃さと異常なテンションの高さなど、オリジナリティは高く、根強いファンは多い。以下作品の詳しい特徴を記す。
- ネームの濃厚さは他の漫画と比べても桁違いに高く、通常の漫画の4、5倍はあるとも言われている。実際、作品を見てもコマの割り方は他の漫画作品と比べても細かく、その中の書き込みも細かい。そのため、一度読んだだけでは気づかない要素も数多くあり、結果として何度も読み通して味わっていく事になる。また、1ページ読み通すのにも時間と根気がいる、と言うのも特徴だろう。
- 間の取り方が独特でありながら絶妙。テンションの高いコマの列に一コマ殺伐としたコマを挿入する、いわば漫画的な「サブリミナル効果」が随所に見られる。そのテンションの落差は非常に激しい。
- また、他の漫画作品からの絵柄、シーン、台詞や映画、音楽、ゲームなど幅広い範囲からのネタの引用が非常に多く、作品によってはほぼ全てのコマにそれらの要素が入っている事もある。しかし、オリジナルをむしろ喰ってしまうほどのその描きっぷりはこの作家の本領とも言える重要な要素。また、オルロックのある回では、作中人物に「テレビで見たものまんま描くな」という台詞を吐かせたこともあった。
- さらに、本人自身を一躍有名にした代表作、『みんなはどぅ?』ではある意味では究極の「オリジナル」と言える日記漫画を三度の雑誌移動(コミックゲーメスト→ホットミルク→メガキューブ→メガプラス)を経て長きにわたって執筆(途中常習となった感がある休載を含む)。その中で幾度も登場する容赦の無い自虐ネタ(例:「ヒコロウって食えてるの?-パンとかね。」(さらに「くえないひもある。」と続く))は強烈。しかし、あまりの強烈さにはむしろ爽快感すら覚えるほど。
だが、先に述べたように、密度の高いネーム、そして異様に高いテンションを持って作品を執筆している為か、ページ数の多い作品はほとんどと言っていいほどなく(本人も「8Pは死ぬまで描きたくない」と述壊している)大抵の作品が1P~4Pのものである。さらに遅筆ゆえに原稿を落とす事も多い為に、結果として寡作となっている。 また、ネタの引用に関してもファンの知識がほとんど及ばない(あるいは理解すら困難な)レベルに及ぶ事もあり、結果として読者が作品についていけなくなる、と言う弊害も場合によってはある。
その一方で、同人誌などにおいては、ほんの一部ではあるが、常に異様なテンションを持続させたギャグ路線とは一味違った枯れた風合いを持った作品も発表している(意外なことにコマ割りも大きく取り、ネームも散文体をからめた実にシンプルなもの)。そのため、実はギャグ以外の路線でも十分通用するのではないか、と言う声もファンの間では上がっている(事実、山上たつひこは本来シリアス系の漫画を描いていたし、古谷実も従来のギャグ路線から脱却し、シリアスな作風を見事成立させている)。
[編集] その他特記事項
- 本厚木に住んでいることがよく知られている。
- 過去に出版社に就職、サラリーマンの経験があったらしい。
- ワニマガジン刊「快楽天」などに執筆している漫画家、道満晴明とは、某エロ漫画雑誌の投稿コーナーで知り合ったと言う。『みんなはどぅ?』でもたびたび登場し、親密さは明らかである。ヒコロウ自身がパソコンを持っていないため、カラーの仕事の時にはパソコンを道満晴明に借りていた(『みんなはどぅ?』収録のエピソードより)。
- また、OKAMA、伊藤真美、REY'Sと言った作家とも親交があり、上記の道満清明と同様、半ばレギュラーキャラとして『みんなはどぅ?』に登場している。これらの面子で合同同人誌を出版することもたびたびある為、ヒコロウ本人を含め、彼らがいわゆるトキワ荘グループ的な形容をされる事もある。
- ホットミルク版『みんなはどぅ?』連載中には5ヶ月連続で原稿を落とすと言う荒業をやってのけた。しかもその休載明けの回では漫画の中で「久しぶりだなー、ホットミルク」と悪びれる様子もなく、更には他の作家に向けて「あなたも五連発で原稿オトしてみませんか? 六連、七連大歓迎! 」と編集者からすれば愕然とするような煽りまでしている。ただし、これを本音としているかどうかは定かではなく、おそらくネタとして描いたものとも思われる(そうだとしてもやはり過激である事に変わりはないが)。
- 一時期ネット上で本人死亡説が流れた事がある。『みんなはどう?』の中でもネタにされている。
- また、同人誌を多く出版している(他作家との合同誌も含める)が、合同誌で他の作家が18禁の内容を描く事があっても、本人がそういった内容を扱う事はまず無い。ただ、ネタとしてそういった言葉やシーンが使われることはある。特に、みんなはどう?メガキューブに収録された作品には、下ネタとともに、そういった描写のある作品が多い。
- 同人活動では「第四帝国」、「ODD STAR」、「上田ブフッサ」と言った名義を用いている。
- 『ファイナルファンタジーXI』に没頭しているらしく、近年では出版する同人誌でもFF11に関連した漫画が多数掲載されている。
- 度重なる原稿の落としっぷりから、ファンに「本当に漫画家として食べていけてるのか」と本気で心配されている。
[編集] 作品リスト
[編集] 連載作品及び主な短編作品
- みんなはどぅ? (新声社刊・コミックゲーメスト連載)
- みんなはどぅ? メガキューブ (コアマガジン社刊・ホットミルク連載→メガキューブ連載→メガプラス連載)
- プロフェッサーシャーボ (エンターブレイン刊・ファミ通ブロス連載)
- 不死身探偵オルロック (同上)
- G=ヒコロウのセルゲーム
- 猫神博士 (コアマガジン社刊・ホットミルク連載)
- オダキュ~ (エンターブレイン刊・マジキュー連載)
- ススーム (コアマガジン社刊・メガプラス現在連載中)
(以下短編作品)
- イン謀のセオリー
- ブラッドアンドスカイ
- レオソ
- 多重人格の探偵プシチョ
- 刑事カランバ
- GSGS3
- メンコ
- ボクサーラ
- 電人バーホーゲン
- ミミズ
- スモーキンザウォラー
- 私とマタドールとこの部屋で。
[編集] 既刊単行本
- みんなはどぅ? (新声社刊) - 1999年初版
- 不死身探偵オルロック&プロフェッサーシャーボ (エンターブレイン刊・ブロスコミックス) - 2001年初版
- みんなはどぅ? メガキューブ (コアマガジン刊・ハイパーホットミルクコミックス) - 2002年10月初版
- みんなはどぅ? ZOMBIE (コアマガジン刊・ハイパーホットミルクコミックス) - 2003年9月初版
- 不死身探偵オルロック 完全版 (エンターブレイン刊・ビームコミックス) - 2005年4月初版
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