Internet Information Services
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開発元: | Microsoft |
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最新版: | 7.0 / 2006年11月 |
対応OS: | Windows |
プラットフォーム: | x86, x64, IA-64 |
種別: | Webサーバ |
ライセンス: | プロプライエタリ |
公式サイト: | インターネット インフォメーション サービス |
Internet Information Services(IIS)は、マイクロソフト製のWebサーバ用ソフトウェア(またはWebサーバサービス)で、同社のWindows上で動作する。 HTTP/HTTPS、FTP、SMTP、NNTP等の基本的なプロトコルはサポートしている。 今日では単なるWebサーバというよりも、ASP.NET、XML、SOAPに準拠した、アプリケーションサーバという位置づけが強い。
クライアント版のWindows NT Workstation/2000 Professional/XP Professionalにも、(同時接続数とサイト設置数の)機能制限付きのIISが添付されている。
目次 |
[編集] 歴史
もともとはInternet Information Serverという名称で、Windows NT Server上で稼働するアドオンソフトウェアという位置付けであったが、Windows 2000 Server登場時にシステムの標準サービスに位置付けられ、名称もInternet Information Servicesに改められた。
[編集] バージョン
Internet Information Server
- IIS 1.0 - Windows NT 3.51のフリーアドオンとして登場
- IIS 2.0 - Windows NT 4.0に搭載
- IIS 3.0 - Windows NT 4.0 Service Pack 3にて置換される
- IIS 4.0 - Windows NT 4.0 Option Packに収録
Internet Information Services
- IIS 5.0 - Windows 2000に搭載
- IIS 5.1 - Windows XP Professionalに搭載
- IIS 6.0 - Windows Server 2003とWindows XP Professional x64 Editionに搭載
- IIS 7.0 - Windows Vista及びWindows Server "Longhorn"に搭載および搭載予定
[編集] セキュリティ
IIS は当初、多くのそして重大なセキュリティーホールが頻繁に発見された。過去にはCode RedやNimdaといったワームの蔓延により大規模な障害を引き起こした。そのため、最新版のIIS 6.0においてアーキテクチャを過去のIISに比べ大幅に変更し、発表から2007年1月現在わずか3つの脆弱性が発見されるまでにセキュリティを向上させている。また、マイクロソフトではセキュリティ対策用のツールとして「IIS Lockdown Wizard ツール」を配布し、セキュリティの向上を促している。
[編集] インストール
インストールはクライアント・サーバ版の両方とも「コントロールパネル→プログラム(アプリケーション)の追加と削除→windowsコンポーネントの追加と削除」から行うことが出来る。また、サーバ版の場合は「サーバの役割管理→サーバの構成ウィザード→アプリケーションサーバ」の手順で、アプリケーションサーバに属するコンポーネントをまとめてインストールすることが出来るが、コンポーネントごとに個別にインストールは出来ない。IISやFTPサーバ等を個別にインストールするときは、「コントロールパネル→プログラム(アプリケーション)の追加と削除→windowsコンポーネントの追加と削除」の手順を踏む必要がある。クライアント版の場合は、「windowsコンポーネントの追加と削除」に「インターネットインフォメーションサービス」があるが、サーバ版の場合は「アプリケーションサーバ」の項目があり、そのコンポーネント名をクリックすることで、IISやFTPサーバ等を個別にインストールできる。
[編集] 特徴
IIS 6.0よりセキュリティホールは劇的に減少しているが、安全性確保のため初期状態ではインストールされていない。サーバ・クライアント版共にインストールが必要である。
インストールした時点でIISの仕事は始まっており、指定されたフォルダにhtmlテキストを保存し、設定することでwebページの公開は可能である。またサーバ版の場合、Windows Server Update Servicesや、Microsoft Exchange server等のアプリケーションと関連付ける事で、サーバアプリケーションをブラウザ越しに、よりグラフィカルに設定させることが出来るため、ある意味マイクロソフトを象徴するコンポーネントといえる。
また、IIS自身にSMTPサーバ機能が付加されており、Windows Server 2003のPOP3サーバ機能と合わせて簡易なメールサーバを構成できる。これはIISのエラー情報を管理者に通知するための機能の応用であるため、Exchange Serverのように本格的なメールサーバを構築することは出来ない。
そのほかバーチャルドメイン等の機能も持つが、パーミッション(アクセス権限)設定が他のwwwサーバソフトよりも複雑である。トップページの公開自体はごく簡単なため、素人でもすぐに設定できるが、それ以降の敷居が極端に高い。そのため自宅サーバ等でのシェアは高くはないが、マイクロソフト純正wwwサーバである事、6.0の信頼性の高さ等から、企業やネットワーク上級者に対して順調にシェアを伸ばしている。