ITコーディネータ
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ITコーディネータ(あいてぃこーでぃねーた)とは、ITと企業経営両方の知識を持ち、経営者の経営戦略を実現するIT化支援サービスを行う専門家、もしくはその資格名のこと。ITCと略す。
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[編集] 沿革
IMD(国際経営開発研究所)による「世界競争力年報」などによると、90年頃から日本の国際競争力は急降下した。この原因として企業、特に中小企業におけるIT利活用の遅れが指摘された。 こうした状況を打開するため、1999年6月の通商産業省(現経済産業省)産業構造審議会「情報化人材対策小委員会」中間報告において、「戦略的情報化のビジョンを示し、これを設計するのみならず、システムインテグレータ等がシステム構築を実施する場合にもアドバイザー的に働き、これが無事に稼働するまで一貫して関与し続けるような経営戦略とITをつなぐ人材を必要としている。こうした人材を『ITコーディネータ』と称することを提案する」という報告がなされ、以下の2点が提案された。
・企業経営者を啓発する環境の構築
・企業経営者の信頼を得て経営戦略を実現するためのIT戦略において、意思決定の支援をするITコーディネータの育成・普及
以上の提案に基づき2001年2月に「ITコーディネータ制度」と推進機構としての特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が創設された。
[編集] 人材像
産業構造審議会中間報告では、「ITコーディネータは、CSO(Chief Strategic Officer)の戦略的情報化ビジョンの策定を支援し、戦略的情報化ビジョンに基づく情報システムの企画および調達を行い、システムインテグレータ等がシステム構築を実施する場合にもアドバイザ的に働き、また監理し、これを無事に稼動するまで一貫して関与し続けるような経営戦略と情報システムをつなぐことを行う人材である」と定義している。
ITコーディネータは経営とIT双方についての深い知識と経験をもち、経営者層をはじめ関係する人々とのコミュニケーション能力と情報システム構築プロジェクト推進のための監理能力をもつことが期待される。経営戦略やそれを実現するためのIT戦略の立案・策定における選択肢の提示と経営者の意思決定支援、IT資源調達やIT導入における豊富な経験にもとづいた助言とプロジェクト遂行支援、さらにはITサービス活用におけるプロジェクト成果物の業務プロセス移管支援により、経営戦略を実現するための戦略的IT利活用に関して経営者を支援する専門家である。
[編集] 資格
ITコーディネータは民間資格であり、経済産業省推進資格とされる。名称独占資格である。資格取得の条件はない。特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が認定機関である。資格保有者は06年12月現在で約7000名である。平均年齢は45歳、女性は5%である。約半数が高度情報処理技術者、中小企業診断士、税理士、公認会計士などの資格を併せ有している。独立系のITCは24%、残りは大手、中小ベンダー、一般企業に属する企業内ITCである。
資格認定のためには「ITコーディネータ試験の合格」と「ケース研修の受講・修了」という2つの要件を満足する必要がある。試験とケース研修はどちらを先に受けてもよい。
[編集] 試験とケース研修
[編集] 試験
試験は春と秋の2回実施される。試験は必須60問、選択40問の多肢選択式である。合格率は第11回の試験では応募者に対して51%、受験者に対して54%である。専門スキル特別認定制度があり公認会計士、税理士、中小企業診断士、技術士3資格(経営工学、情報工学、総合技術監理部門)、経営品質協議会認定セルフアセッサーの7資格のうち1つ以上の資格を保有している者は試験において、選択問題の解答が免除される。
[編集] ケース研修
研修は15日間である。4日間の座学と11日間の課題演習で構成される。座学はITCが実務を行う上での必要な知識の習得をおこなう。課題演習は現実の企業事例に則してITCの活動プロセスを模擬体験することで実践能力を養う。
[編集] 資格更新
毎年資格更新手続きが必要である。資格保持者には最新の経営とITに関する知識を維持するための継続的な学習と実践能力維持向上のための実務活動が義務づけられている。知識維持に関しては学習内容がポイント化されており、3年移動平均で30ポイントを獲得することが求められる。ポイント獲得は種々の方法があるが、概ね1ポイントは4時間程度の学習時間である。実務実績に関しては年1回の実務活動報告の提出が必要である。最新の実務活動報告期間1年間の実務活動状況及びその活動の自己評価について、書式にしたがい実務活動報告書として資格更新時に提出する。
[編集] 外部リンク
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