LOMO
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
LOMO(ロモ)とは、ロシアの光学機器メーカー、レニングラード光学器械合同(ЛЕНИНГРАДСКОЕ Оптико-Механическое Объединение)のこと。
目次 |
[編集] 歴史
ロシア帝国の首都サンクトペテルブルクで1914年2月4日に設立された有限会社・国立光学器械工場(Государственный Оптико-Механический Завод、GOMZ)を前身とし、光学レンズとカメラを製造すべく120万ルーブルの資本金で設立された工場。フランスのシュネデール社の分社であった。
1919年、ペトログラード(1914年サンクトペテルブルクから改名)でウラジーミル・レーニンの勅命により映画用カメラを製造した国営企業であり、それを前身として1962年レニングラード(1924年ペトログラードから改名)に誕生したのが、LOMO社である。
[編集] 製品
1936年に世界初の35mmフィルム一眼レフ「スポルト」を製造している。1952年にソ連邦国民用の35mm判普及カメラ「スメナ」を発売。1964年に露光計内蔵の35mm判「ヴォスホート」を発売、1983年から「LOMO LC-A」を発売。
1955年には、120判使用の三眼レフのステレオカメラ「スプートニク」を開発し、遡っては、1953年から、ゼンマイ式自動巻き上げの実像ファインダー付超高級(39mmスクリューマウント)35mmレンジファインダーカメラ:レニングラード (カメラ)を開発。
また、特記すべき点として、1949年から現在まで連綿と普及型の120判6×6判二眼レフ「ルビテル」を製造・販売継続し、庶民用の低価格カメラをも供給し続けている。その他、顕微鏡、望遠鏡、夜間偵察用の赤外線使用の光学機器・兵器、その他民生用の各種光学器機を製作しているロシア最大の光学企業である。
[編集] LOMO LC-A
とりわけ著名なのは「LOMO LC-A」型カメラ(愛称「LOMO」とされる)である。1983年から「スメナ」を原型としたコンパクト35mm判カメラ「LOMO LC-A」(「ロモ」の名を全世界に広めた。コシナCX-2のコピーといわれる)を発売。2005年4月末に製造終了がアナウンスされた。現在は中国で生産されている。
ちなみにLC-Aとコピー元のCX-2では描写が全く違う。また、一台一台のLC-Aの微妙な描写の違いは、生産ラインにおける品質が安定していない為だといわれている。
1985年頃から芸術の都ウィーンで前衛芸術家たちが率先して撮影に使用し、先鋭的で斬新な画像を発表し、「ロモブーム」を世界的に起こし、「生活すべてが被写体」を信条とする芸術家を主体とするアマチュア写真家やトイカメラ愛好家の必需品となった。
この10×4×6cmの自動露出カメラ「LOMO-compact」は、ソ連邦国内だけで年間150万台の売り上げがあったが、ソ連崩壊による市場開放策とともに、流入した日本製コンパクトカメラに押され、人気は下火になり一旦製造停止したが、このカメラを愛用していたウィーンを中心とする欧米の若手芸術家と無数の若者がファンクラブを組織してLOMOの生産継続を支援し始めた。
とくにウィーンの「LOMOクラブ」は、定期的に国際的な写真展を開くなど積極的な活動を続けており、会員数は1800人以上にのぼる。「LOMOグラフィー」という言葉も生まれ、視覚芸術の一つの文化になっている。多機能で高性能なコンパクトカメラや、デジタルカメラが街にあふれる時代に、焦点があいまいで、色調の崩れとハイコントラストの画像が再現できるLOMOの不思議な魅力は、熱狂的なファンを生んでいる。
40箇国以上で「ロモ」の愛好者団体が活動し、日本でも「ロモクラブ」が活動し、独特の写真美学を創造し続けている。
[編集] 関連項目
- Holga - LOMOと並ぶ人気のある中国製トイカメラ
カテゴリ: カメラ関連のスタブ項目 | カメラメーカー・ブランド | ロシアの企業 | ソビエト連邦の企業