RamPhantom
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RamPhantom(ラムファントム)はRAMディスクを構築できるソフトウェアである。
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[編集] 特徴
PCに搭載されたメインメモリの一部を仮想的にハードディスクとして認識させることで、実際のハードディスクより何倍も高速な読み書きを実現する、RAMディスクと呼ばれる仮想のハードディスクを構築することができる。
なお、メインメモリの一部をRAMディスクとして認識させるためにこのディスク分の容量が構築時に確保される。そのため、1GBのメインメモリを搭載している環境で512MBのRAMディスクを構築した場合は利用可能なメインメモリは512MBとなる。
GIGABYTEなどからハードウェアでRAMディスクを構築できる製品(i-RAMなど)が発売されているが、RamPhantomはソフトウェアをインストールするだけでRAMディスクを構築できるという点でそれらと大きく異なっている。
ただし、ソフトウェアという制約上Windows上でのみ動作する。よって、BIOSからRAMディスクを認識することはできないし、ブートドライブとして用いることはできない。(i-RAMは可能。)
[編集] データのバックアップ機能
ソフトウェアのRAMディスクであるが故に、再起動やシャットダウン時などにプログラムが終了されるとRAMディスクのデータは消失してしまう。それを防ぐために、RamPhantomにはデータのバックアップ機能が実装されている。バックアップ機能には幾つかの設定があり、RAMディスクの使い方に合わせて変更することが可能。
- バックアップを行わない
プログラムの終了時にRAMディスクのデータを退避せず、破棄する。次に起動した時は何のデータもないRAMディスクを構築する。テンポラリドライブとして使用する場合に適していると思われる。
- ログオフ時に自動で保存
Windowsの再起動やシャットダウン時にRAMディスクのデータをハードディスクに退避させ、プログラムを終了する。既定の設定であり、通常の使用には最も適していると思われる。
- WriteBack
コンピュータのアイドル時間、すなわちCPU使用率が低い時間に隙を見てハードディスクにバックアップデータを書き込む。無駄なくバックアップすることができるが、アイドル時間を確保できなかった場合のバックアップ動作は保証されない。
- WriteThrough
RAMディスクへのデータの書き込みと同時にハードディスクにもバックアップデータを書き込む。データが失われる危険性は他の設定と比べて最も低いが、書き込み時の速度はハードディスクと同じになってしまい、RAMディスクであるメリットが読み出し速度の向上のみとなる。
[編集] エディションの違い
本来は有償のソフトウェアでパッケージ版とDL版が販売されているが、開発元IO-DATA社製の対象メインメモリを購入し、ダウンロードページでシリアルナンバーを入力するとRamPhantom LE版(簡易版)を無償でダウンロードすることが可能。
このエディションはRAMディスクの作成容量が2GBまでとなっている以外は有償の完全版と同じである。