RPGツクール3
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RPGツクール3は、1997年11月27日に発売された、プレイステーション用のソフトである。
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[編集] 特徴
[編集] 前作までとの違い
- プラットフォームがプレイステーションに移行。
- 1ブロック単位でマッピングが可能になったほか、既成ダンジョンも収録。フィールドはサガシリーズに近いマーカー式の移動となったが、複数作ることが可能。
- 「アニメティカ」というモードを搭載、キャラクターやタイトルのペインティングが可能に。なお、アニメティカ側のみに収録されているサンプルデータ(現代風キャラクターなど)がいくつかある。
- 「音楽ツクールかなでーる2」で作成した曲データをコンバートすることが可能。なお、ゲームで流れる際にドラム音がおかしくなるというバグがあるので注意が必要である(知っていれば回避可能)。
- MPの代わりにHPを消費する「必殺技」、パラメーター補正や特殊技能が得られる「職業」システムを導入。
- 敵グラフィックの他、人物グラフィックも4カラーパターンから選択できるようになった。
- 物理攻撃、魔法・必殺技のダメージが多少ランダムに上下するようになる。
- AI導入。プレイヤーが戦闘中に操作できない味方キャラクターを作成可能になる。
- パラメータや通貨の名前が変更できるようになり、世界観の演出が広がる。(2まではあらかじめ決まっているパラメータ名を使わざるを得なかった)
- データセーブがPSの特長であるメモリーカード式となることで、それまでの家庭機用ツクールの欠点であった容量制限の問題が解決。システムデータとシナリオデータを別に保存することで、事実上無限にシナリオを作成できる。
- 魔法やアイテムの種類数制限も大幅に緩和された。
- 魔法グラフィックは簡単なアニメーションを作成できるようになり、表現の幅が広がった。
- なお、セーブに必要なブロック数が可変であることから、パッケージでの容量表示についてSCEIの担当と一悶着あった。(当時容量可変のPSゲームは存在せず、そもそもそのようなものが出るという想定がなかった。同様にPSで発売されたコンストラクションツールである「デザエモンPlus」(アテナ開発・販売)は、15ブロックを固定で使用する仕様。)
- 自動的に開始するイベントがなくなり、「イベントを引き継ぐ」になった。管理しやすくなった反面、イベント途中で特殊な分岐をさせるために自動開始を用いるといったようなテクニックは不可能に。
- イベント開始条件の指定上限数が4から99になり、規模の大きなイベント作成が可能に。
- イベントに、これまでの「はい/いいえ」の分岐に加え、乱数分岐、メッセージ分岐が追加される。
- 使用可能な漢字が大幅に増加(fix-me)。また、1つのイベント命令で大量の文章を入れられるようになるなど、文章回りが格段に向上。
- 敵キャラクターの出現パターンの指定が、マップ単位だけでなく任意の範囲を指定してもできるようになる。
- 全体的に「ドラクエっぽさ」 が薄れている。一部(フィールドなど)は意図的に非ドラクエ式システムを採用したものと思われる。
- RPGツクールシリーズの中でも全体的なバランスに対して評価が高い。
- ツクール2と同様、取扱説明書に載っていない便利な操作法・機能がある。しかも全く同様の操作・機能がである。そして、やはり同様に一部が公式ガイドブック、あるいは公式Webサイト上で公開されている。
[編集] 家庭用RPGツクール(PS)作成データの配布
- PCツナイデントメモリとる、メモリーカードキャプチャー桜、メモリージャグラーUSBなどの吸い出しツール(市販されているメモリーカード(PS用)にデータを読み書きできるツール)があれば、作成したRPGのデータをWebで公開することもできる。(もちろんメーカー非推奨の行為である。データ管理は自己責任で)現在最も入手し易いのは、メモリージャグラーUSB。生産中止になった現在でもヤフーオークションで多く流通している。大手の家庭用RPGツクールサイトでは、2007年現在でも配布が盛んに行われており、不定期(だいたい年に1度の様子)に各人の作成したRPGを競い合う、有志運営のコンテストも開かれている。
- 吸い出しツールが入手できなくても、SSSPSXやepsxeなどのエミュレータを使用して、作成や公開されている作品のプレイが可能。
- かつて広技苑CD-ROM版で、アスキーツクールコンテストに入賞した作品のデータが付属した。入賞作品だけあり、力作ぞろいである。CD-ROM広技苑は1回のみで打ち切られてしまったため、現在での入手は困難と思われる。また、ファミ通WAVEにおいても作品の募集が行われ、入選作品は付録のCD-ROMに付属された。
- 電撃プレイステーションDの付録CDで、読者投稿コーナーに寄せられたRPGツクール3作品がダウンロードできた。
[編集] サンプルゲーム
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- ゴブリくんの大冒険
- RPG世界のザコモンスター「ゴブリ」くんが、その世界でのボスキャラになるために冒険するというメタ的なストーリー。
- ツクール3の新機能である、敵キャラクターの出現範囲について言及されているシーンがある。