T-800
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T-800(正式名称Cyberdyne Systems Model 101 Series 800 Version 2.4)は、映画『ターミネーター』と『ターミネーター2』に登場するアンドロイドで、アーノルド・シュワルツェネッガーが演じた。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 設定
ターミネーターはスカイネットが作った人間抹殺用のアンドロイドである。正確には「サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズT-X00」という型番になる。
これ以前のターミネーター・T-600シリーズがゴム製の外見であったためよく見ると識別可能であるのに対し、T-800は培養された人間と同様の細胞組織(筋肉、皮膚、髪の毛、血液など)がチタン合金の金属骨格を覆っているため、犬の嗅覚を持ってしても人間と区別するのが難しい。しかし、犬は嗅覚で分からなくとも、動作音ないし皮膚分泌物など何らかの「不自然さ」を察知しているのか、このアンドロイドが通り掛かると激しく吠え始める。
『ターミネーター2』以後、未来世界では旧式化してきているが、それでも現代世界においてその性能は脅威的なオーバーテクノロジーであり、非常に強度の高い金属のボディは銃や金属棒による打撃など、並大抵の武器ではダメージを与えることすら難しく、むしろ不可能と言った方が妥当である。破壊するには成形炸薬弾のような、それなりの威力を持つ武器が必要である。金属骨格を覆う細胞は専用の機械に掛けられて覆われるが、中でどのようにして細胞を覆っているかは定かではない。基本ソフトウェアのイメージ処理機能は、赤の濃淡によって行われる。
旧式である事から、恐らく相当数のT-800(やT-850)が捕獲、CPUの書き換えをされ、人間の味方をしていると思われる。人類抹殺を目論むスカイネットはT-Xの様な対ターミネーター専用機を開発し、対応する必要があったことから、捕獲されたターミネーターはかなりの数にのぼったと推測される。
[編集] 情報処理能力
冷酷無比で感情が全くなく、もちろん自身が破壊される可能性などに対する恐怖心すらなく取引や理屈の通じるような相手ではない。1度出されたミッションは何があろうと必ずやり遂げる様プログラムされている。そのため、その命令は、途中で止めたりなどはまずない。それが成功したり、失敗したりすると存在する理由が無くなり、自爆をする。
学習能力は高く、様々な抽象的概念までもを理解出来る能力がありながら、基本的な人格は初期状態では極めて未発達であるため、人間と比較して表情が乏しかったり、常識的な行動が取れないなど、行動面でかなり「ロボット臭い」という問題がある。なお漫画版ターミネーター3の中では、「スカイネットはターミネーター達が過学習の果てに自らの元から離れてしまうことを恐れ、学習機能に制限を加えている」という台詞がある。
思考様式は極めて論理的で、視覚を含む五感で周囲の状況を適切に判断する能力が在り、またその高い学習能力で人間の中で生活する事で「どんどん人間臭い行動を取る事が出来る」ようになる。ジョークも理解出来る様に成る点では、戦闘用アンドロイドにしては「相当に無駄(過剰性能的)な」思考能力が搭載されているのだろう。
その思考回路を支える知能回路は極めてコンパクトなモジュールに収められており、並列処理によって高い処理能力を備えた電子回路として描かれている。このモジュールは、ターミネーターが単体で送り出されるときには自分でものを考えないよう学習機能を作動させず、「読み出しのみ」にセットされている。
この思考モジュールは形状的に「(銀色の)二廻り程小さな板チョコ」に良く似ており、表面には四角い突起が整列している。映画ターミネーター2ではこの電子回路(チップ)が未来を変えてしまう危険性を持つ存在として描かれ(同映画の完全版では、「2つのチップ」を強調するショッキングなシーンがある)、物語後半はこれを軸に展開して行く。なお現代の技術で同等の論理回路を作ろうとすると、机の上を占領するような巨大な複合コンピュータともなるが、それすらも画期的な処理機能を備えるものであるらしいことが、『ターミネーター2』作中の描写に伺える。
[編集] その他
また、小説版では元セクター工作員・ディーター・フォン・ロスバックをモデルにして製作されたことになっている。
映画「『ターミネーター3』には、このバージョン・アップした型のアンドロイドである「T-850」が登場し、同じくアーノルド・シュワルツェネッガーが演じている。