TRADOS
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TRADOS(トラドス)は、トラドス社が開発した翻訳支援ツールである。 Microsoft Windows OSが動作するコンピュータ上で動作し、テキスト文書、RTF、HTMLやXMLなどのタグ付き文書(SGML)、マイクロソフト社のワード文書、パワーポイント文書、アドビ社のファイルメーカ文書などの文書の翻訳を支援する。
翻訳メモリやトランスレーションメモリと呼ばれる機能を持つ。この機能は原文と訳文のペアをデータベースに登録しながら翻訳を行い、将来同じ原文または似た原文が登場したときに、データベースに登録済みの訳文を再利用することにより、翻訳のスピード向上と正確性の維持を確立する。この仕組みにより、マニュアルやカタログなど、繰り返し更新される可能性のある文書の翻訳に適する。
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[編集] 開発元 トラドス社の経歴
1984年 トラドス社 (Trados GmbH)がドイツのシュツットガルトで創設された。
1997年 株式の20%がアメリカのマイクロソフト社に買収された。
2002年 ユニスコープ社(Uniscape Inc)と合併し、名前をトラドス社(Trados Inc.)と改めた。本部をアメリカ合衆国バージニア州アレクサンドリアに置いた。
2005年 英国のSDLインターナショナル社(SDL International)に買収された。プログラムのトラドスは、SDLインターナショナル社が開発するSDLXと供に開発を継続されることとなった。
[編集] 対応するファイル形式
[編集] RTF/DOC
TRADOSは、Microsoft Wordを拡張することにより、RTFおよびDOCファイルを直接編集できる。
[編集] タグ付き文書
SGML、XML、またはHTMLなどのタグ付き文書は、TRADOSと共にインストールされるTagEditorという編集ツールで編集できる。
[編集] Adobe Frame Maker
TRADOSは、Adobe FrameMakerとの親和性が高いアプリケーションである。FrameMakerのファイル形式であるFMファイルを、MIFファイルに変換して、TagEditorで編集できる。 MIFファイル(Maker Interchange Format)
[編集] 中間ファイル
どのファイル形式でも、編集した直後のファイルは原文と訳文が混在するバイリンガルファイルという形式になっている。RTF/DOCファイルの場合は、同じファイル形式であるが、タグつき文書の場合はTTXファイル形式で保存される。これらのバイリンガル ファイルを訳文の生成機能にかけることにより、訳文のみが含まれる完成されたファイルになる。
[編集] 構成モジュール
- Trados Workbench
- 主モジュールであり、マイクロソフト社のワード文書を扱うことができる
- TagEditor
- HTMLやXMLなどの文書を編集するためのモジュール
- WinAlign
- 翻訳メモリのためのバイリンガル・ファイルを作成するためのモジュール
- S-Tagger
- ファイルメーカ文書やインターリーフ(InterLeaf)文書を変換するモジュール
- 一度MIF(Maker Interchange Format)ファイルに変換し、TagEditorにて編集する
- T-Window
- パワーポイント文書を変換するモジュール
- MultiTerm
- 辞書ファイル用モジュール
- ExtraTerm
[編集] 外部リンク
類似の機能をもったソフト